埼玉県八潮市で県道が陥没し、転落したトラックを運転していた70歳代男性の安否が分からなくなっている事故で、県は7日夜、穴の内部で「宙づり」になった農業用水路の撤去作業を始める。
用水路はコンクリート製で、崩壊の恐れがあるため、消防による捜索活動の妨げとなっていた。
地盤改良や周辺住民に対する避難の呼びかけなど、撤去に必要な準備が整うめどが立ち、作業可能と判断した。撤去には2日程度かかる見通しで、9日朝には終了する予定だという。
八潮市によると、用水路はボックスカルバートと呼ばれるコンクリート製の箱(縦横1・5メートル、長さ2メートル、重さ推定5トン)をつなげたもの。現在は使われていない。穴の内部に重機を入れるために造成した2本目のスロープ近くに、埋設されていた。
穴から湧き出た水が用水路を支える土砂を徐々に浸食した結果、不安定な「宙づり」状態となり、崩落の危険性が高まっていた。消防隊員らが穴の中に入り、安全に捜索するためには、撤去が不可欠になっていた。
県は撤去に向けて、薬液を注入して地面が崩れないようにする地盤改良工事を進めており、7日夕には終了する見込みだ。周辺の住宅など計16軒への避難の呼びかけも完了している。