頭痛の中には、病気が原因で起こる「二次性頭痛」があります。その原因は、くも膜下出血や脳腫瘍、副鼻腔炎など多岐にわたります。突然の激しい頭痛や、普段と違う身体の異変を伴う頭痛は、命に関わる可能性もあるようです。具体的な症状や対処法について、「ふじさわ脳とからだのクリニック」の永尾先生にお聞きしました。
編集部
二次性頭痛の原因にはどんなものがありますか?
永尾先生
頭部外傷やくも膜下出血、脳出血などの血管障害、脳腫瘍、副鼻腔炎などによる頭痛があります。特にくも膜下出血は、突然激しい頭痛が起こります。脳血管障害全般に言えることですが、治療までに時間がかかるほど後遺症も大きくなる傾向にあるので、このような頭痛の場合は早急に救急外来を受診しましょう。
編集部
脳腫瘍だとどのような症状がありますか?
永尾先生
脳腫瘍の場合は、できる場所によって症状がさまざまです。手足の運動麻痺やバランスの障害、言語の障害など、普段できていたことが少しずつできなくなった場合などは脳腫瘍が徐々に大きくなっている可能性があります。ほかには、「慢性的な頭痛の頻度が増えて、痛みも強くなってきた」「とくに早朝に頭痛が強い」といったことも脳腫瘍による頭痛の特徴です。
編集部
副鼻腔炎の場合はどうですか?
永尾先生
鼻水や鼻詰まりを伴う頭痛やアレルギー性鼻炎・風邪の後に残った頭痛は、副鼻腔炎の可能性があります。ほかにも「額や頬のあたりを指で叩くと痛い」「頭を下げると液体が動くような感じがして痛む」といった症状も副鼻腔炎が疑われます。
編集部
いずれも受診した方がよいのですか?
永尾先生
そうですね。突然の激しい頭痛や手足、言語の障害、視野の障害など脳血管性障害が疑われる場合は早急な受診、脳腫瘍や副鼻腔炎が疑われる場合もなるべく早めの受診をお勧めします。ほかには、発熱を伴う場合も、髄膜炎などの可能性がありますので受診した方が良いでしょう。
監修医師:永尾 征弥(ふじさわ脳とからだのクリニック)
2003年富山医科薬科大学医学部(現・富山大学医学部)卒業。大学の医局や救急病院などで、20年ほど脳神経外科医として勤務。救急病院で脳卒中を中心とした診療や、総合病院で地域医療に携わりつつ企業の産業医として従事。現在は神奈川県藤沢市の「ふじさわ脳とからだのクリニック」で、もの忘れ外来などに携わっている。
※この記事はメディカルドックにて【くも膜下出血や脳腫瘍による「頭痛」とは? 「頭痛もちだから…」と放置が良くないワケ】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。