児童虐待。そもそも家庭の話なだけに、踏み込むのが難しい問題です。実態はどうなのでしょうか。
【写真を見る】「はけ口にしていた」実の父親が小学生だった娘に繰り返した性行為…裁判での衝撃発言と、子のSOSに母親がとった行動 闇が深すぎる児童虐待の実態は(山形)
■山形県の児童虐待は
通告件数と認定件数・・・令和5年度の児童相談所及び市町村に対する児童虐待の通告は1287件で、このうち、調査の結果、虐待と認定された件数は990件でした。
ただし、これには児童相談所と市町村が重複して対応した121件が含まれるため、これを除いた実数は869件となります。
※画像 県資料より
虐待の種類は身体的なものや精神的なものなど種類がありますが、特に深刻なのが性的な虐待です。
周囲にも言えず悩んでいる子どもがいるのでは・・・。そう考えさせられる裁判が、山形市で行われています。
■衝撃的な裁判だった
日本列島を寒波が襲った2月19日。初公判が開かれた山形市は、青空が広がっていました。山形地方裁判所の法廷に姿を現したのは、細身で身長が高めの男。この男が問われている罪は、不同意性交。相手は、未成年の実の娘でした。
(※本記事は性犯罪についての記述があります。また、一部詳細を控え記載している部分があります)
不同意性交の罪に問われているのは、山形県内に住む被告の男です。検察などによりますと、男は去年9月、相手が16歳未満と知りながら、みだらな行為に及んだとされています。裁判で被告の男は、起訴内容について問われると、「間違いありません」と認めました。弁護側も事実関係について争わないとしています。被害者は、男の実の娘でした。
■実の娘と3年も性行為
裁判は被害者に配慮するため、個人の特定にはつながらないよう、実名などの読み上げを避けて進められました。上下スウェット姿にマスクをして入廷した男は、静かに検察官の冒頭陳述を聞いていきます。そこでは、およそ3年に及ぶ男の犯行が語られました。
■きっかけは娘の体の変化
男の犯行のきっかけは、当時小学6年生になった娘の体の変化でした。娘の体の成長に気づいた男は胸を触るようになり、行為は徐々にエスカレート。みだらな行為に及ぶようになりました。
男はその背徳感に性的興奮をおぼえたといいます。
■娘への『罰』としての性行為
娘が中学生になると、男は宿題をしなかったことへの『罰』などとして、みだらな行為に及ぶようになります。被告人質問で男は、罰の理由について「約束ごとを少しでも守ってほしかった」などと話しました。
■届かなかった「SOS」
長期間にわたる犯行の中、娘は男の犯行について、母親に繰り返し相談していました。そのたびに家族で話し合っていたということです。
男は娘に謝罪し、時には、寝室での寝る位置を変えるなどしていました。しかし、男の犯行は続きました。証人尋問で母親は、「(夫と娘の)どっちを信じればいいのかわからなかった」と当時を振り返りました。
■事件発覚はスクールカウンセラー
事件発覚のきっかけはスクールカウンセラーでした。娘は、当時通っていた学校のスクールカウンセラーに、自身が被害にあっていることを打ち明けたということです。娘は産婦人科に向かい、被告の犯行が発覚しました。
■娘は父に「もう関わりたくない」
男が逮捕されたことを受け、娘の母親は「うそを言っていたのは夫のほうだったとわかって、娘に申し訳ないと思った」と語りました。そして娘は当時についてこう語りました。
「家に帰るのが嫌だった」
「学校では頑張って明るくふるまったが、夜、パパに起こされるので、授業中も眠かった。パパは、ママや家族のいるところでは何もしなかったが、パパに何をされるかわからない」
そして、実の父親について。「パパのいない生活をしたい。パパの顔を見たくない。悲しいとか通り過ぎて、もうどうでもいい。もう関わりたくない」
■なぜ男は娘にみだらな行為をしたのか
娘の心の言葉。そこまで追い込んだのは・・・身勝手とも思える理由でした。
男には数百万円の借金があり、その返済のために仕事に追われていたと言います。日々の生活費を稼ぐことに追われていましたが、3年前の夏ごろ借金の返済が追い付かなくなり、ストレスを解消するための矛先が娘に向いたということです。
■娘が「性欲の発散、ストレスのはけ口」
仕事と借金の返済に追われる日々。
証言台で男は、「そのストレスが高まることに比例して、娘に対するみだらな行為が増えた」などと話し、「性欲を発散することで、ストレスのはけ口にしていた」と口にしました。そして、涙ながらに声を震わせて「もう止められなかった。このストレスをどうしたらいいのか分からなかった」と語りました。男の裁判は今後も続けられていきます。
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皆さんの気分を害するかもしれない。関係者が目にしたら傷つくかもしれない。
記者は悩みながら記事を書いています。しかし、これは紛れもなく現実であり、こうしたSOSを発している子どもは、近くにいるかもしれないのです。
(過去記事を再編集しています)