福島県郡山市で大学受験生の女性が酒気帯び運転の車にはねられて死亡した事故の発生から22日で1か月となった。
県内では、事故以降も飲酒運転の摘発が後を絶たず、県警は全県で交通検問を実施するなど飲酒運転根絶の取り組みを強化している。
事故現場となったJR郡山駅前の交差点近くでは22日、多くの人が花を供えたり手を合わせたりした。市民(31)は「飲酒運転は絶対になくさなければいけない。事故を忘れてはいけない」と手を合わせた。
事故は1月22日早朝、JR郡山駅前で発生。大学受験のため郡山市に来ていた大阪府箕面市の予備校生女性(19)が、郡山市昭和、会社員池田怜平被告(34)の軽乗用車にはねられて死亡した。
池田被告は今月12日、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)と道路交通法違反(酒気帯び運転)で起訴された。起訴状では、酒気帯び状態で故意に赤信号を無視し、時速約70キロで交差点に進入したとしている。
事故を受け、県警は12月まで毎月22日を飲酒運転根絶に向けた「取り組み強化日」に指定。22日前後に県内全22署が飲酒検問や啓発活動を行う。21日深夜から翌未明には、福島署が福島市南沢又の市道で大規模な検問を実施した。
県警交通企画課によると、飲酒運転による人身事故は24年までの10年間に644件発生し、死者は33人に上る。今年は1月末時点で4件の人身事故が起きた。郡山市での事故以降も、伊達市職員が酒気帯び運転容疑で逮捕されるなど飲酒運転の摘発は相次いでおり、県警交通企画課の深谷康宏調査官は「飲酒運転を根絶するために、事故を風化させないよう毎月県民が思い起こす日にしたい」と話した。