福岡県久留米市の結婚式場の運営会社、アルカディアが経営状況が著しく悪化し事業を継続して負債を弁済することが極めて困難になったとして、破産手続き開始の準備に入りました。アルカディアは、新型コロナの雇用調整助成金をだまし取ったとして前社長らが逮捕されていました。東京商工リサーチ福岡支社によりますと、負債総額は去年8月の時点でおよそ40億円です。
アルカディアは福岡と佐賀で5つの結婚式場を運営していました。ホームページにコメントを掲載し「業績不振により、支払不能の状態に陥り本日付で事業を停止することとなりました。近日中に裁判所に対して破産を申し立てる予定となっております。したがって、本日以降の挙式・披露宴・宴会 が全て実施できなくなりました。誠に申し訳ございません。お客様には多大なるご迷惑とご不便をおかけいたしますこと深くお詫び申し上げます。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」としています。
前社長らは2022年10月に新型コロナウイルスの影響で従業員を休ませた日数を大幅に水増しして申請し、国の雇用調整助成金2300万円あまりをだまし取った疑いで24日に再逮捕されています。警察は認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、行政側に提出した資料や押収した勤務記録から不正受給した助成金は1億円を超えるとみられています。
福岡労働局はアルカディアが助成金を不正に受給していたことが確認されたとして、21日付で支給を取り消し、助成金およそ10億1900万円と違約金、合わせて12億円の返還を命じていました。