2月23日、天皇陛下は65歳の誕生日を迎えられた。誕生日に際しての記者会見で、社会人になられた長女・愛子さま(23)の変化についての質問にこう答えられた。
【初写真】愛子さまは喪服姿で堂々と…ブラックのイヤリング&ネックレスをお召しに
2025年、天皇陛下のお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供
「私自身、社会人として仕事をしたことがないものですから、愛子が書類を提出するとか、いろいろな記録を取るとか、日赤の一員としての活動について家に帰って話してくれて、その話の一つ一つに非常な新鮮さを感じ、そういったところから、愛子が大学を卒業して社会に入って社会人として一歩一歩成長している様子をかいま見ることができ、大変うれしく思っております」
愛子さまは学習院大学ご卒業後、日本赤十字社に就職され、ボランティア活動推進室青少年・ボランティア課で勤務を続けられている。公務などがない限り、平日は日赤で勤務なさっているようだ。愛子さまのそのご近況について陛下は間近でご覧になり、驚くべきご成長ぶりに親としての感慨を覚えていらっしゃるように拝察する。

その前日である2月22日は、昨年11月に三笠宮妃百合子さまが亡くなられてから100日にあたり、豊島岡墓地で「墓所百日祭の儀」が執り行われた。百合子さまの墓所に向かわれる愛子さまは、深い悲しみのなかにも柔和な表情を浮かべられていた。愛子さまが歩を進められるご様子には、見るものを安心させるような安定感があったように思う。
愛子さまはブラックのロングコートをお召しになり、やはりブラックのイヤリングとネックレスをお召しになっていた。

愛子さまのコートは、最上部のボタンのほかは隠しボタンのようなつくりになっているのか、ボタンが反射せず、よりフォーマルな印象を受けた。ロングコートはAラインのシルエットではあるが、そうした細部のデザインによって凛とした雰囲気を演出されている。

昨年は愛子さまが成年皇族として、喪服をお召しになって報道陣の前に初めて姿を見せられ、その当時も愛子さまは堂々とした身のこなしで、哀悼の意を示されていた。
陛下が「私自身、社会人として仕事をしたことがない」とおっしゃったのは、雅子さまへのリスペクトがあってこそのご発言だったのではないだろうか。2024年、イギリスご訪問に際しての記者会見でも、陛下は雅子さまのキャリアに光を当てるような回答をなさっている。

「雅子も、昭和63年から平成2年にかけて、当時勤めていた外務省の研修生としてオックスフォード大学のベイリオル・コレッジに留学し、大学院で国際関係論を学びました。オックスフォード大学の歴史や伝統、荘厳な建物や庭の美しさなどに感銘を受けるとともに、先生方や友人たちからも多くのことを教わり、かけがえのない貴重な経験ができたということです。また、英国各地の美しい風景や人々の親切も深く心に残り、私同様、思い出深い2年間になったようです」

そして、その意識は愛子さまにも共有されているのだろう。愛子さまは、学習院大学ご卒業に際しての文書回答で「少しでも社会のお役に立てるよう、公務と仕事の両立に努めていきたいと思っております」と述べられた。今年に入ってから、愛子さまの行事や公務でのお召し物にも小さな“変化”が見られるように思い、注目していきたい。
(佐藤 あさ子)