国立社会保障・人口問題研究所の2021年「第16回出生動向基本調査」によると、結婚相手の条件として重視する項目は以下のようになっています。男女とも、人柄を最重要と考えて相手を選んでいることが分かる結果です。
1位:人柄(男性77%・女性88.2%)
2位:家事育児の能力や姿勢(男性42.1%・女性70.2%)
3位:仕事への理解と協力(男性42%:女性55.9%)
ところがなかには、いくつになっても「見た目の良い自分はハイスぺで、そんな自分にふさわしい男性と結婚できるはず」と容姿のみで序列を考え、自分だけが男性を選ぶ立場だと思い込んでいる女性がいます。
しかし残念ながら、女性は見た目が最も重要と考える男性は、素直に20代女性のなかから結婚相手を選びます。30歳を超えたら中身を磨かなければ、20代の若さに到底勝てません。
確かに婚活では容姿は大事です。しかし相手に選ばれるには容姿以上に人柄が重要です。今回は、引き立て役と思っていた女性に、逆転婚をされた事例をお伝えします。ぜひ最後までお読み頂き、ひとつの教訓にして頂けますと幸いです。
(個人の特定を防ぐため、内容は一部変更しています)
坂口律子さん(仮名、以下同)は、都内の中小企業の総務で働く年収400万円の独身女性です。目をひく美人の坂口さんは20代の頃は頻繁にナンパされ、いわゆる高学歴、高収入といった”ハイスぺ”男性からもひっきりなしに誘われていたそうです。
その結果、自身の美貌にかなりの自信を持ち、だからこそ望めばいつでもふさわしい人が見つかると考えて結婚は後回しにしていました。
しかし、30歳になるとどんどん声が掛からなくなり、32歳を超えると誘われることもほとんどなくなりました。自分は美人だから焦る必要はないと思いつつ、同僚や友人らも結婚していくなかで少しずつ不安を募らせていったといいます。
そこで、同じ総務で働くひとつ年下の伊藤沙菜さん(仮名)を誘い、婚活パーティに参加することにしました。坂口さんから見た伊藤さんの印象は、地味で男性の気配も一切感じない非モテタイプだったので、引き立て役にすれば自身の不安も緩和されるだろうと考えたからです。
婚活パーティは立食形式で、男女各15人が会場に集まっていました。彼女は早速、伊藤さんを引き連れて男性陣を回ったところ、皆まずまずの反応だったといいます。
そのなかのひとり、谷口優一さん(仮名・32歳)は女性に不慣れな言動が多く、気の利かないタイプでしたが、伊藤さんと妙にウマが合っており、ふたりの距離が縮まる気配にムッとして早々に話を切り上げました。
伊藤さんはあくまで坂口さんの引き立て役。主役ではない彼女が自分を差し置いて男性と仲良くなるのは面白くありません。伊藤さんとともに連絡先だけを交換して、ふたりは別の男性のもとを回ったそうです。
それでもパーティーの直後に、「あんな男でも伊藤さんに先を越されたらマズい」と思った坂口さんは、早々に谷口さんとのデートを強引に取り付けました。しかしデートは散々で食事はファミレス、ファッションもパッとせず、話も面白くありません。勤め先も聞いたことのない会社で年収も600万円でした。
聞けば聞くほど、自分にはそぐわないと妙な怒りが湧き、デート初回にも関わらずこう攻め立てました。
「よくそんなスペックでパーティに参加したわね!」
「そんな年収で妻を養えると思ってるんですか?」
「私と結婚したいなら、せめて年収1000万円超えてから出直して下さい!」
ほかにも思いつく限りの罵詈雑言を谷口さんに浴びせて帰ったといいます。
それでも怒りが収まらなかった坂口さんは翌日出社した伊藤さんをランチに誘い、思いのままに文句をぶちまけました。いかに谷口さんが男性としてダメか、いかに自分は女性として優れているのか。独りよがりの説教を武勇伝のように語り、どんどん落ち込んでいく谷口さんはまるでゴミ扱いです。
いたたまれなくなった伊藤さんがフォローを入れたのをこれ幸いと「だったら彼はあなたにあげるわ」と言い放ちようやくスッキリしたと言います。
後日、再び婚活パーティに参加しよう伊藤さんを誘いますが、「参加してみて、あのような場は私には合わないと感じた」と断られたそうです。引き立て役がいなくなるのは残念ですが、それ以上は坂口さんも無理強いはできません。
仕方なくしばらくは婚活パーティーにひとりで参加をしていましたが、その後2年が経っても結婚どころか彼氏すらできませんでした。そもそも自身が望むハイスぺ男性とは出会うことすら滅多にできず、稀に出会えてもロクに相手にされなかったのです。
それでも坂口さんは”自分が選ぶ立場”というスタンスは崩さず、美人な自分を選ばない男性は見る目がないと心の中で一刀両断にしていたそうです。
そんな婚活が苦戦するなかで、会社から心を揺さぶられる報告を聞かされます。なんとあの伊藤さんの結婚が決まったというのです。
「なんであの子が私よりも先に結婚するのよ!」
自身の婚活が一向にうまくいかず、35歳が目前で焦りが強くなっていただけに、この発表に坂口さんは激しく動揺しました。会社からは同僚として結婚式への参加を促されたといいます。
「相手はきっとたいしたことない男だろう…」
必死でそう思い込み、渋々結婚式に参加。しかし、相手男性の正体を知ってさらにショックに陥ります。
総務省の令和4年「就業構造基本調査」によると、30代前半で年収500万円を超えている未婚男性は同年代の未婚男性全体で20%、1000万円超はわずか0.8%、30代後半でも1.6%と、出会うことすら稀な状態です。
さらに、婚活市場にいる未婚のハイスぺ男性が「なぜ残っているのか」を理解することも大切です。ハイスぺに見えなかったり、年収は高くても外見が悪かったり、女性に不慣れだったり、あるいは性格に難があったり……。お金狙いの女性を避けるために年収を含めて、あえて言わないという男性もいます。
つまり30代前半は分かりやすいハイスぺ男性がほぼいないのですから、その層だけを狙うとなると、延々と失敗を続けることになります。その結果、婚期を逃してしまうといった最悪な未来を迎えないためにも、夢は夢と見切りをつけて、現実に向き合った婚活をするほうが賢明です。
それにしても伊藤さんのお相手は、いったいどのような男性だったのでしょうか…?続きは後編「「顔だけが武器」の先輩女性の引き立て役にされた「非モテ女子」が婚活でしかけた「最大の復讐」」で明かします。
「顔だけが武器」の先輩女性の引き立て役にされた「非モテ女子」が婚活でしかけた「最大の復讐」