北九州市小倉南区のファストフード店で14日夜、市立中3年の男女(ともに15歳)が死傷した事件から一夜明けた15日、現場周辺では県警による聞き込みなどの捜査が続いた。
男女を刺した男は逃走しており、住民らからは「怖くて出歩けない」と、不安の声が上がった。
事件が起きた同区の国道322号沿いにある「マクドナルド322徳力店」。多くの捜査員が集まり、14日夜にはレジ前など店内や入り口付近の鑑識作業を実施。15日は店近くの飲食店や会社事務所、コンビニ店などを回り、不審人物などに関する聞き込みや防犯カメラ映像の確認を進めていた。
近くの車両工場の従業員によると、15日午前に捜査員が訪れ、「工場前に隠れている男を昨夜見たという情報がある」と言い、そばの側溝に落ちていたたばこの吸い殻を回収したという。
現場の店の入り口には、花束などが供えられ、被害者を悼む住人の姿も見られた。同市小倉北区の男性(35)は「昔よく通ったこの店でこんなことが起こるなんて。とても悲しい」と悼んだ。
「私が刺されていたかもと怖くなった」。事件発生の10分ほど前まで同店で食事をしていたという同市小倉北区の会社員女性(60)は「今朝になって事件を知った。あと少し出るのが遅れたら……」と振り返った。
小倉南区の80歳代女性は「怖くて外を出歩きたくない」とつぶやき、近くに住む男性(38)は「10歳代の少女らを狙った卑劣な事件だ。一分一秒でも早く解決してほしい」と願った。