兵庫県知事選でのSNS運用をめぐり、公職選挙法違反の疑いが指摘されている斎藤知事が、PR会社の社長とともに刑事告発されました。一方、知事のパワハラなどの疑惑を告発した元局長のものとされる私的な情報がSNSで広まっていることについて、斎藤知事は、第三者機関による調査を検討すると明らかにしました。
【画像で見る】公開されたPR会社からの請求書
神戸地検と兵庫県警に送られた告発状。兵庫知事選での斎藤知事のSNS運用をめぐり、知事側がPR会社に支払った報酬は、ネット上の選挙運動の対価であり、公職選挙法の「買収」の疑いがあるとしています。
神戸学院大学上脇博之教授「買収・被買収が成立する、告発できると判断した」
斎藤知事とPR会社の社長を刑事告発したのは、神戸学院大学の上脇博之教授と、郷原信郎弁護士です。PR会社の社長は、ネット上に公開したコラムで「監修者として、コンテンツ企画などを責任を持って行った」と成果をつづっていました。
神戸学院大学上脇博之教授「どう考えても選挙に主体的にかつ裁量のある戦略的なPR活動を行ったことは明らか」
疑惑に対し斎藤知事側は11月27日、PR会社からの請求書を公開。71万円5000円を支払ったことを認めましたが、支払いの名目はポスターの制作費などで、「選挙運動の対価ではない」と主張しました。SNSの運用は、「社長個人がボランティアで行っていた」と説明しています。
斎藤知事の代理人奥見司弁護士(11月27日)「『広報全般を任せた』とか、そういう部分については全く事実じゃない。盛っていると認識している」
告発された斎藤知事は…
斎藤元彦知事(2日)「ボランティアの中で私も含めて運用していた。いずれにしても公選法に抵触することなどはないと認識しています」
公選法違反には当たらないという主張を繰り返しました。一方、別の問題も浮上しています。
立花孝志氏(10月31日)「当選を目的としない選挙に今回は臨ませていただいております」
知事選に出馬し、斎藤氏を応援するという異例の選挙戦を展開した立花孝志氏。斎藤知事のパワハラなどを告発した元県民局長のものとされる私的な情報を、SNSで拡散しています。
元局長が告発文書をマスコミなどに送った後、斎藤知事は、片山元副知事らに調査を指示。元局長の公用パソコンを押収しました。立花氏の主張が正しければ、この公用パソコンに保存されていた私的な情報が外部に流出したことになります。元局長は懲戒処分を受けたあと、7月に亡くなっています。情報がSNSで拡散している状況について、見解を問われた斎藤知事は…
斎藤知事「文書がどういうものかということも私もまだ確認できていない。しっかり事実関係を確認していくことが大事」
──どこが情報を把握して、どの部署が調査を?
斎藤知事「そこはこれから対応だと思います」
斎藤知事は対応について、副知事らと既に相談していて、第三者委員会の設置を検討するとしています。