東京都八王子市に本社を構え、医療機器の製造販売で世界トップシェアを誇るオリンパス。10月28日に同社は、社長兼CEOのシュテファン・カウフマン氏(56)が違法薬物を購入した疑いがあるため辞任したと発表した。
【画像】「警視庁が家宅捜査を…」週刊文春が捉えたカウフマン氏の姿
2023年4月から同社の社長をつとめたカウフマン氏に一体何が起きていたのか。
社長兼CEOのシュテファン・カウフマン氏 時事通信社
「週刊文春」の取材によると、今年6月18日、警視庁薬物銃器対策課の捜査員がカウフマン氏の自宅に家宅捜索を行っている。カウフマン氏は違法薬物の使用を否定し、さらに尿検査が行われたものの、陽性反応は出なかったという。だが、カウフマン氏に薬物を渡していた売人のX氏にも捜査の手はのび、同日、X氏は覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された。
「週刊文春」取材班は、昨年2月にカウフマン氏に関する薬物使用の情報を入手。1年8カ月にわたり独自取材を進め、カウフマン氏とX氏との”疑惑の密会現場”を3度にわたって撮影した。
またカウフマン氏と昌瓩箸隆屬妨鬚錣気譴薬物売買についてのメッセージを独自に入手。彼らは「シグナル」や「テレグラム」といった高度な暗号化技術をもつ機密性の高いアプリを使って売買交渉していた。
メッセージ内でカウフマン氏はX氏を〈samurai-san〉と呼んでいた。
〈Hi…can you deliver this week?〉〈2bags from two weeks ago and one MD …right?〉などのメッセージを送り、金額の交渉など生々しいやり取りをしている。2bagsはコカイン2パケ(2袋)、MDは合成麻薬のMDMAを指すという。

6月の警視庁の捜査では逮捕を免れたカウフマン氏。では彼はなぜ、4カ月後の今、辞任という選択肢を選ばざるを得なかったのか。
10月30日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および、31日(木)発売の「週刊文春」ではオリンパス社長の薬物問題を6ページにわたって特集。売人昌瓩箸亮莪現場を収めた写真と共に、X氏の5時間におよぶ告白を掲載している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)