8月26日から10月18日までの間、京都市及び京都市交通局、京都国際マンガ・アニメフェア実行委員会では、9月21日から2日間にわたって開催する『京都国際マンガ・アニメフェア(以下、京まふ)2024』のPR活動とともに、地下鉄の利用促進を図るため『京まふ号』を運行している。
【写真】「性の対象と言う事自体がおかしい」物議を醸した『京まふ号』のイラストたち
「『京まふ』とは、’12年から続く、マンガとアニメのイベントです。出版社やテレビ局、映像メーカーなどが出展し、グッズ販売などを行います。ほかにも、人気作品とのコラボフードやドリンクが楽しめるカフェ、特設ステージでは、人気声優や制作陣による作品裏話が聞けるなど、ファンにはたまらない大規模イベントなんです。
『京まふ号』は地下鉄烏丸線を走り、『京まふ』の関連作品のキャラクター等を用いた装飾がなされた車両になっています」(アニメ誌ライター、以下同)
『京まふ号』を彩る作品は毎年、違う作品が選ばれている。
「昨年は人気アニメ『東京リベンジャーズ』のラッピングもあり、ファンが殺到したそうです。今年は『青のミブロ』、『甘神さんちの縁結び』、『ダンダダン』、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(以下、ロシデレ)』の4作品。1編成6車両のうち、4車両に各作品のイラストが掲出されています。今年も『京まふ号』目当てのファンは多いようで、すでにSNS上では乗車報告が相次いでいます」
しかし、思わぬところで注目を集めることになってしまう――。
「『ロシデレ』のイラストに対し、X(旧Twitter)で“中学生や高校生ぐらいのキャラを性の対象にするの止めない?”という批判があったのです。『ロシデレ』とは、日本人とロシア人とのハーフの女子高生と、男子高校生の恋愛模様を描いたラブコメ作品。『京まふ号』に掲出されているイラストには過度な肌の露出もなく“性の対象”と断定する要素は少ないと思いますが、このあたりは人によって、判断基準が異なるでしょうから、難しいところですよね……」
問題ないと判断するネットユーザーも当然存在し、
《なんの露出もないただの可愛らしい女の子のイラストじゃん》
《漫画やアニメのキャラクターが掲示されているだけで“性の対象”と言う事自体が認識としておかしい。全裸姿とかせめて下着姿だっていうなら別だけど》
と、物議を醸している。
こうした論争が起こっていることについて、京都市交通局に問い合わせてみると、
「『京まふ号』に限らず、地下鉄で広告施策をする際、公益公営交通機関なので、適切な内容になるように一定の審査基準を設けています。審査基準は様々なものがあり、禁止となるものを列挙しているような規定です。その中に“公序良俗に反するものは認められない”というものがあります。
例えば“裸体や性に関して表現が露骨、卑猥なもの、その他青少年保護の観点で適切でないもの”は認められません。今回の『京まふ号』の施策に関しても、広告として適切かどうか事前にチェックをしており、そのうえで適切だと判断をしております」(京都市交通局担当者)
『ロシデレ』もほか作品と同様に、予定どおり10月18日まで、掲出予定とのことだった。
“性の対象”となるかの判断は人それぞれだが、過剰な反応は避けた方が良さそうだ。