岩手・軽米町の個人所有の山で、「ヤマザクラ」が何者かによってなぎ倒され、皮をはがされていた。ヤマザクラの樹皮は工芸品にも使われる素材で、転売目的で奪ったとみられている。所有者は、警察に被害を通報したという。
岩手・軽米町で、山の所有者が何者かに切り倒されていたヤマザクラを発見した。
「これですね、これ。切れ目をズバーっと入れて、へらのようなもので起こしながら、はいでいくみたい」と山の所有者である安藤賢さんが案内してくれた先にあったのは、皮がはぎ取られ無残な姿となったヤマザクラだった。
安藤さんは、「まだまだ大きくなる木だった。憤りしかない」と怒りをあらわにする。
被害は確認できただけでも約30本で、そのすべての皮がはぎ取られ、半分ほどは切り倒されていたという。
また、倒されたヤマザクラは、「白っぽいピンク色の花が咲く。『ああ、もう春だな』と」語り、季節を感じるきっかけだったと話す。
問題は、いったい誰が、何の目的でヤマザクラの皮をはぎ取ったのかだ。
実はヤマザクラの樹皮は、茶筒などの工芸品などにも使われる素材。そのため、被害に遭った安藤さんは何者かが樹皮の転売を目的に盗んだとみている。
安藤さんは、「素晴らしい工芸品は、材料が合法的に採取されたのか、考えていくきっかけになったらいいなと思います」と訴えている。
安藤さん自身も、ヤマザクラの木で工芸品を作っており、被害を受ける人がいなくなってほしいと警察に被害を通報したという。(「イット!」 9月17日放送より)