全国で続くコメの品薄。27日、農水大臣は9月には新米が出回るため、「順次回復していく」との見通しを示しました。一方、都内の精米店の代表は、苦しい現場の事情を明かしました。
【写真を見る】「順次回復していく。落ち着いた購買行動を」農水大臣 現場は“買い控え”で米不足【news23】
農家は、精米を急いでいました。米は、きのう収穫したばかりです。山梨県北杜市の農家では、東京など全国の消費者からの問い合わせが相次いだため、例年より作業を1週間ほど前倒したそうです。
望月農業センター望月茂喜代表「消費者のもとに早く届けたいという思いから1週間早く刈った」
一週間早く刈ることで稲穂の半分ほどしか商品にならないため、収穫量が落ちてしまうリスクがあります。
望月農業センター望月茂喜代表「きのう刈った分で100万円くらいリスクを背負う。消費者の方が喜んでくれれば、消費者があって私たちの米作りも成り立つので」
依然として全国で、コメ不足が続いています。
広島市内のスーパー「エブリイ楠木店」。レジの前に積まれたのは、県内の農家が持ち込んだコシヒカリの新米です。価格は5キロ袋が2980円と割高ですが、まとめ買いする人などが次々に買い求めていました。
買い物客「お米がない。買ったばかりだけど買おうと思って、新米だし。(割高は)仕方がない。何でも上がっているから」
エブリイ楠木店では、8月16日から毎日入荷。多いときには100袋ありますが、その日のうちに完売しています。
東京でも米の品薄を嘆く声が。大学生「一人暮らしなのでスーパーを見るが、米の棚がお一人様一点までになっていて、米の在庫も全然ない状態」40代「うどんを食べたり、そばを食べたり、スパゲティを食べたり。どうにかしているという感じ」子ども(3)「さっきスパゲッティ食べたんだよね」Q.お米とか食べたりする?子ども(3)「おにぎりでもカレーでも食べる」
“令和のコメ騒動”といわれるほど一部で品薄となっている米。28日、坂本農水大臣は。
坂本哲志農水大臣「令和6年6月末の在庫量は、近年では低い水準となっている」米の品薄の背景について、地震や台風に備えた買い込み需要や、お盆休みで物流が滞ったことなど、複数の要因が重なったと指摘しました。また都内の、ある精米店の代表は苦しい現場の事情を明かします。
精米店代表「いま品薄感があって、市場原理が働いて需要と供給のバランスで高くなっている。問屋も『こんなに高いと手が出ない』というような、あるいは買ったところで、もし万が一、値段が下がったら問屋も大損になってしまうので買い控えをしている状況」この精米店では、米の在庫がひっ迫しているため9月からの値上げを決めました。では、店頭での品薄は、いつまで続くのでしょうか。
農水大臣は、早いところでは新米の流通が始まっているとして、供給は「今後、順次回復していく」との見通しを示しました。坂本哲志農水大臣「消費者の皆様におかれましては、必要な量だけ米を買い求めいただくなど、落ち着いた購買行動をお願いしたい」