ドラッグストア「スギ薬局」で出された薬を服用した女性が死亡したのは薬剤師の調剤ミスが原因だとして、遺族が28日、同社や薬剤師らに計約3800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状などによると、東京都杉並区の女性(当時74歳)は2021年10月、訪問診療で持病の薬を処方され、同区の「スギ薬局高井戸店」に処方箋を出した。薬剤師から誤って血糖値を下げる糖尿病患者向けの薬も渡されて服用。約1か月後に意識不明となり、翌年5月に心不全で死亡した。心不全の原因は低血糖後脳症と診断された。
遺族側は、薬剤師が薬を個別に仕分ける「分包機」に別の患者の薬が残っているのに気づかず、薬を個別に包装した後のチェック体制などにも欠陥があったとしている。提訴後に記者会見した長男は「二度と同じことが起きないよう対策を講じてほしい」と述べた。
スギ薬局側は「訴訟には誠実に対応する。調剤過誤を発生させることのないよう再発防止に取り組む」などとコメントした。