九州南部が17日梅雨明けしたほか、18日には関東甲信と東海が梅雨明けし、夏本番です。この時期、水分補給の際にペットボトルの飲み物を飲む機会も多いかと思います。ただ飲むときには、注意が必要です。それが「ペットボトル症候群」です。
このペットボトル症候群とは何か、何に気を付ければいいのか、専門の医師に聞きました。
梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。18日も近畿、東海、北陸、九州、沖縄で熱中症警戒アラートが発表されています。
暑いこの時期、熱中症対策の基本が水分補給です。人が1日に必要な水分量はおよそ2.5リットルと言われています。このうち食事から摂取される量が1リットルあり、飲み物からは、1.2リットルほど必要です。
(記者)「暑い夏、水分補給に便利なペットボトルの飲み物ですが、飲み方には注意も必要です」
鹿児島市の球場では、高校野球の応援に訪れていた多くの人たちの手にペットボトルがありました。
(男性)「ペットボトル多い。きょうもある、麦茶」
(男性)「手軽だよね(Q.外での水分補給は?)ペットボトルを持ち歩いて(Q.1本で足りる?)足りない」
(女性)「暑すぎてペットボトルを持っておかないと(ペットボトルを飲むときに気を付けていることは?)特にない」
水分補給の際に気を付けたいのが、「ペットボトル症候群」です。
ペットボトル症候群は、急性の糖尿病のような症状で、重症化するとこん睡状態におちいることもあります。ペットボトル症候群の症状とは?糖尿病が専門の新中須敦医師が解説してくれました。
(いづろ今村病院・糖尿病内科 新中須敦医師) 「ペットボトル症候群は、 ▼のどがすごく乾く症状。 ▼血糖が高くなり体から出そうとする多尿。 ▼けん怠感、疲れてきやすいという症状。 ▼腹痛やおう吐。 ▼重症になると意識が落ちてこん睡状態になって救急車で運ばれる例もあります。」
「ペットボトル症候群というので、ペットボトルすべてという印象があるが、ペットボトルが問題ではなく、糖が入っているものが問題」
砂糖が入った飲み物を1日1リットル以上飲んでいると発症リスクが高まるといわれるペットボトル症候群。WHO世界保健機関は、成人がとる1日の糖分摂取量を25グラム、角砂糖ではおよそ8個分と推奨しています。
代表的な飲み物を例に、どれほど糖分があるか見てみましょう。
▼水や麦茶には糖分は含まれていません。

ペットボトルを1本飲むだけでも1日の糖分摂取量の目安を超えてしまいます。
喉が乾いた状態で、砂糖の入ったスポーツドリンクやジュースを大量に摂取することで、血糖値が高くなり、ペットボトル症候群が引き起こされます。
(新中須医師)「血糖が高いと喉がすごく乾く。そこでまた糖入りのジュースを飲むと、さらに血糖があがり悪循環を生む。夏場は特に喉が渇いているというときはこまめな水分摂取、特に糖が入っていないものでとることが重要」
もちろん、スポーツドリンクやジュースを飲んではいけないということではありません。
(新中須医師)「飲み方を選ぶ必要はある。汗をかく前にスポーツ飲料をとるのはあり。でも1日1リットル以上取るとリスクは高くなるので、量に気を付けて」
夏場は特に大事な水分補給。ただ何をどのくらい飲むのか意識することが必要です。
ほかにもペットボトルの飲料を取る際に気を付けたいのが、「飲みかけペットボトル」の細菌です。口を付けて飲むと口の中の細菌が中に入り、増殖してしまいます。

26度に設定した室内では、5時間後には細菌は4倍に。およそ37度の晴れた屋外では、1時間で大幅に増加。さらに時間が経つにつれ増殖しました。
細菌が増えた飲料では、食中毒になる可能性があります。ペットボトル飲料を飲むときには、コップにうつすことや口を付けたら早めに飲みきることも大切です。
手軽なペットボトルの清涼飲料水。夏場の水分補給には「ペットボトル症候群」と「飲みかけペットボトル」に注意が必要です。