推しのホストにハマり、消費者金融に1年足らずで約6000万円の借金を背負った奈良県警の20代の女性職員が、返済のため約150人の男と「パパ活」をしていた。
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奈良県警は今月12日、ホストクラブへの売掛金を支払うため、第三者に譲り渡す目的で銀行口座を開設したり、多額の借金の返済のため、風俗店で接客したとして、警察本部所属の一般職員の20代女性を懲戒免職処分とした。職員は詐欺と犯罪収益移転防止法違反の疑いで書類送検されたが、その後、不起訴処分となった。
■返済のため150人とパパ活
女性職員は2022年6月ごろから大阪市内のホストクラブに通い始め、店で「推し」のホストと出会った。沼にハマった女性職員は頻繁に店に足を運ぶようになり、ホストクラブから1000万円以上の売掛金を請求された。
当初はクレジットカードを数枚使って決済していたが、すぐに引き落としができなくなり、カードの使用を止められ、消費者金融から金を借りるようになった。女性職員はホストクラブの売掛金1000万円と消費者金融の借金を返済するため、翌7月から「パパ活」を開始。24年5月までの間に約150人の男性とマッチングアプリで出会い、1人1万~3万円の報酬を得ていた。それだけでは追いつかず、23年6月からデリヘルも掛け持ちしていた。
「ホスト代や生活費などで借金は6000万円まで膨らみ、消費者金融も貸してくれへんようになった。そんでヤミ金に手を出した。ただヤミ金いうても、ホンマに金貸しをしとったんかは分からん。最初から金を貸すつもりはなく、反社がヤミ金業者を装っとったんかもしれん。女性職員はわらをもつかむような思いで、『400万円貸してください』と泣きついたそうや」(捜査事情通)
女性職員はヤミ金業者を名乗る人物の指示に従い、昨年1月、自分と母親の名義で虚偽の申告をして2つインターネット口座を開設した。
「400万円を貸す条件として、業者側は『金利140万円を先払いしてくれ』ということやった。『その口座を返済用の口座にしますから』という業者の口車に乗り、女性職員は第三者に譲渡する目的で銀行口座を作らされてしまった。業者から『140万円の金利を直接引き出すため、口座のIDとパスワードを教えてください』と要求され、女性は言われるがまま伝えてしまった。その結果、自分と母親の2つの口座を業者に奪われ、振り込んだ140万円をまるまる引き出され、一銭も貸してもらえなかった。典型的な融資保証金詐欺の被害に遭った」(前出の捜査事情通)
女性職員は銀行口座が凍結されたことを父親に相談。父親が知り合いの奈良県警の警察官に「ウチの娘がヤミ金から金を借りるため、ネット口座を開設した。銀行口座が凍結され、犯罪に使われているかもしれない」と相談し、事件が発覚した。
自業自得といえばそれまでだが、ホストにハマったばかりに安定した仕事を失い、今後、一生かけて多額の借金を返済していくことになる。