Uber Eatsが日本で初めて買い物代行サービスを開始し、イオングループの「まいばすけっと」で展開する。配達員が注文を受けた商品を集め、袋詰めから会計までを行う新サービスとなっている。専門家は、このサービスが超高齢化社会でのニーズに応えると指摘している。
Uber Eats(ウーバーイーツ)が、日本で初めて買い物代行サービスを始めた。
Uber Eats Japanは、イオングループが首都圏で展開する「まいばすけっと」で、配達員が客から注文を受けた商品を集め、袋詰めから会計までを行う新しいサービスを導入する。
スーパーでのデリバリーサービスは、袋詰めなどを準備するための人員が必要なことから、省人化が進む小型店では特に導入が進んでいなかった。
イオン DX推進担当・菓子豊文さん:今の都心生活者の方々は時間がない。都心で暮らされているシニアの方々にも利用いただける。
まいばすけっとでは、26日から首都圏の20店舗にこのシステムを導入し、2024年中に1000店舗に拡大する方針だ。
「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:ーー今回の試み、早速取材されたということですが、いかがでしたか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:ピックパックペイは、配達員が店頭での商品のピックアップから、会計まで済ませてくれるので、ほとんど店舗側の作業は発生しない。
ただ、「まいばすけっと」やコンビニのような、3000品以上の品ぞろえから、素早く商品をピックアップするのは、かなりのスキルが必要になる。そのため、展開当初はスムーズに対応できる配達員は限られるかもしれない。
将来的には、店舗の棚の価格表示が小型デバイスに代わる電子棚札の導入が進むと、配達員にピックアップする商品が案内される未来も予測されている。
堤キャスター:ーー日用品から生鮮食品まで、自宅に届けてもらえるのは便利ですよね?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:超高齢化が進んでいく中で、家から出ないで日々の買い物を完結させたいというニーズは今後増えていくことが想像できる。
今ネット通販は、ほぼAmazon一強の状態にあるが、取り扱いが難しい中食や、生鮮食品については、今回のような食品ミニスーパーなどから届くストア型のクイックコマースが、今後一挙に拡大していくと思われる。
このクイックコマースは、注文してから基本30分程度の短い時間で配送されるもので、人口が密集した都市部などから広がりが期待されている。
堤キャスター:ーー配達してくれるプラットフォーマーについては、いかがですか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:メインのフードデリバリーは、アフターコロナの今、イートイン需要が復活したことに加え、物価高による節約志向も高まり、一時に比べて利用件数が減っている。
今回、イオングループの「まいばすけっと」にクイックコマースが導入されたことで、これまで様子見していたほかの小売企業も、後に続くことが予想される。
すると、配達のプラットフォーマーにとっては、再び利用者の拡大を図る好機となるかもしれない。デリバリーサービスによる、さらなる利便性の向上を期待したい。
堤キャスター:自由に外出することが、ままならない方にとって、買物の代行サービスはうれしいはずです。安心して買い物を任せられるサービスの質が、利用を増やすカギになるかもしれませんね。(「Live News α」6月26日放送分より)