19年前に東京・三鷹市で起きた殺人事件で重要指名手配されていて、今年4月に死亡が確認された上地恵栄容疑者について、警視庁はきょう、容疑者死亡のまま殺人の疑いで書類送検しました。6644日におよぶ捜査がこれで終結したかたちです。
警視庁が殺人の疑いで書類送検したのは、元暴力団組員で、事件当時49歳だった上地恵栄容疑者です。
上地容疑者は2005年11月、三鷹市上連雀のアパートで、この部屋に住む居酒屋の副店長・永野和男さん(53)を包丁で胸を2回刺すなどして殺害した疑いがもたれています。
当時、部屋の合鍵を持っていたのが上地さん1人だったことや、現場に残っていた血痕などから、永野さんと同居していた元暴力団組員の上地恵栄容疑者が捜査線に浮上しました。
警視庁の特命捜査係は上地容疑者を指名手配するとともに公開手配し、懸賞金の対象にも指定していましたが、今年に入りすでに死亡している可能性を視野に入れた捜査に切り替えていました。
その結果、2006年3月に石川県加賀市にある山中温泉の遊歩道付近で見つかった遺体が、DNA型や指紋の鑑定の結果、上地容疑者のものと一致したということです。遺体の状況から自殺とみられています。
警視庁はこうしたことから、きょう、上地容疑者を容疑者死亡のまま殺人の疑いで東京地検立川支部に書類送検したと発表しました。
6月4日付で、この事件に関する▼情報提供は1632件、▼捜査日数は合計6644日にのぼりました。
警視庁によりますと、きょう書類送検の報告を電話で受けた永野さんの遺族は「これで事件は終わりですね。ありがとうございました」と話していたということです。
警視庁捜査一課の佐藤雅一課長は、「被疑者死亡という形での捜査終結となったが、長きにわたって解決を願い続けてきた遺族に、終結のご報告ができた。被害者や遺族の無念を晴らせたと思う」としています。