たびたび問題になっており、警察や行政のテコ入れが何度も行われているにもかかわらずいなくならない新宿歌舞伎町の大久保公園周辺で立っている”立ちんぼ女子”。
これまで警察は、”立ちんぼ女子”が条件などを客に対して伝えている現場を見つけて現行犯逮捕するしかなかった、そのため、”立ちんぼ女子”たちもそれを避けるために客から条件を言わせたり、友達との待ち合わせの体裁にしたりすることで対策をとっていた。
それに対して警察は、4月24日に初めて過去の客待ち行為を理由に28歳の女性を売春防止法違反の疑いで逮捕。
彼女が過去の客待ち行為で逮捕されたと知った”立ちんぼ女子”たちは、その後数日間は数を減らしたが、すぐに復活。エリアを広げることで警察対策を行っているのだという。
これまで立っていた病院の前の通りや大久保公園の周りの通りだけでなく、薬局や周囲にあるバッティングセンター、ラブホテル街など、客待ちのエリアを広げているのだ。
彼女たちの行動について、実話系ライターから話を聞いたところ、彼女たちは警察を恐れていないと話をしてくれた。
「今も立っている”立ちんぼ女子”は常連です。本業として客待ちをしている女性になります。この人たちは、客待ちが商売なので新宿に立つしかありません。28歳の女性が逮捕された数日間は”立ちんぼ女子”の数は減りましたが、警察のおとり捜査を学習すると戻ってきます。結局のところ、買う人がいれば稼げるのです」
このエリアで客待ちをしている”立ちんぼ女子”は、いつも同じメンツなのだという。
また、”立ちんぼ女子”たちはSNSなどで情報共有をし、おとり捜査の警察の情報をいち早くつかんで行動をしている。警察や行政も見回りを増やすが、大久保公園周辺を重点的に巡回するため、そこ以外であれば問題ないのだという。
こんな状況を楽しんでいるのが、最近増えている立ちんぼ女子をエンタメとして見ている集団だ。
コンビニで買った缶ビールや缶酎ハイを片手に、「あの子かわいいね」「あ、交渉決裂だ」などと談笑しながらお酒を飲んで楽しんでいるようだ。
そんな一団の男性に声を掛けると意外な答えが返ってきた。
「見世物みたいですよね。あれだけ世間で騒がれて、逮捕までされているのに立っているのが面白いんです。『今日はあの子いるのかな?』『最近あの子みないね』と他の人と盛り上がれます。雑談のネタになるんです」
こういった団体は”立ちんぼ女子”だけでなく関係のない住人からしても迷惑な存在で、立ちんぼ女子と冷やかしの集団の間でたびたびトラブルが発生している。先日も盗撮されたと騒ぐ”立ちんぼ女子”と冷やかし集団のケンカで、警察沙汰寸前のトラブルになっていた。
常連ばかりが客待ちをするようになった大久保公園では、こうした見物客が後を絶たない。そういった集団には外国人も多く、その人たちも酒を片手に、女性を吟味している様子が見受けられる。
他の男性に声を掛けてみると「最近ではありえないタイプの風俗店のようだ」と答えた。
「顔を直接見ながら指名できる昔の風俗だと思っています。こんなシステムはなかなかないんで、買う気がなくてもつい見に来てしまいます。あれですよ、飛田新地みたいな感じです」
何度も摘発されて数を減らしてはすぐに復活する”立ちんぼ女子”。警察とのいたちごっこはしばらく続きそうだ。
取材・文・PHOTO:白紙 緑