小池百合子都知事は12日、20日に告示が迫る都知事選(7月7日投開票)に、3選を目指して立候補する意向を表明した。立憲民主党の蓮舫参院議員=離党届提出=との事実上の与野党対決が軸となる見通しだ。選挙戦の構図が固まり、各党とも準備を加速化させている。
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「(知事に)求められたことはすべて応えられるように力を尽くす」。小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」代表の森村隆行都議は、取材にこう語った。
森村氏は、2期8年の小池都政への評価が選挙戦の最大の争点になると指摘。「知事が今まで積み上げてきたものをリセットするのか、それとも継続、拡張するのかを決める選挙だ」と述べた。
派閥の裏金事件で逆風下の自民党は、独自候補を擁立せず、小池氏を支援する方針を10日の都連の会合で決めていた。都議会自民の菅野弘一幹事長は12日、「力になれるようにしたい」と述べたが、具体的な支援方法を問われると、「何も決まっていない。マイナスにならないようにしたい」と打ち明けた。
都知事選の投開票日には八つの選挙区で都議補選も行われ、一部では自民と都民フが競合する見通しだ。菅野氏は「補選の議席獲得は大きな課題。どの範囲で協力できるか話ができれば」と述べ、小池氏側と連携を図りたい考えを示した。
小池氏の出馬表明は、都議会定例会最終日の本会議で行われた。公明党の東村邦浩幹事長は「我々は立候補してほしいと求めてきた立場。都政を止めないように支えていく」と語った。小池都政が継続すれば、公明が提案する政策を実現させやすいとの考えもあるとみられる。
一方、本会議終了後に取材に応じた都議会立憲の西沢圭太幹事長は「2期8年で改革は進まなかった。知事を代えるしかないと改めて思った」と切り出した。
小池氏について「都民の都政への関心をなくしてしまった。パフォーマンス重視の政策になっている」と批判。その上で「蓮舫氏はぶれずに政策を進められる。現場を知る都議団が結束して支援したい」と力を込めた。
都議会共産党は、立憲と共に小池氏の対抗馬となる「統一候補」の選定を進めてきた。和泉尚美幹事長は「知事が掲げてきたスローガンは影も形もなくなっている」と批判し、「一丸となって蓮舫さんの勝利のために戦う」と述べた。【深津誠、米江貴史、島袋太輔、白川徹】