東京の下町として愛される足立区が22日、「ワケあり区、足立区」という驚きのキャッチコピーを発表。自虐的とも感じる“ワケあり区”とは、いったい何を指すのか? 足立区民や市に取材すると、区外在住者にとっては意外とも思える声が聞かれた。
取材班が足立区の竹の塚に向かうと、自動販売機の横で寝ている男性や、朝からカップ酒を楽しむ人の姿があった。
酒を飲んでいた70代男性は「毎日が日曜日だもん。いつも散歩がてら『ワンカップ』って決めてるの」とご機嫌な様子。取材をした男性スタッフに「今日のスタイル(服装)良くないな。スタイリスト連れてこいよ。水着の方がいいよ」とアドバイスもくれた。
足立区在住の80代男性に「ワケあり区、足立区」というキャッチコピーについて聞いてみると、「聞かないな。どこかに行ったときに『ワケあり』の品物を買ってきたことはあるけど」と笑う。
下町人情あふれるこの街に、なぜ「ワケあり」というワードを使ったのか?
そのワケについて、足立区シティプロモーション課の栗木希さんは、「マイナスのような言葉に思わせておいて、足立区に住んでいて『いいワケ』がある。逆手にとったインパクトのあるコピーを作りたいと思った」と説明した。
足立区役所が注目したのは、区外の人が持つマイナスイメージ。2023年に行ったアンケートで、「足立区の治安が良い」と答えた区外在住の人は7.4%だったのに対し、足立区民は、59.5%と差が開く結果に。
足立区民に聞くと、「住む前は『治安がめっちゃ悪い』と言われていた。でも思ったほどそんなことなかった」「子育てに手厚いし、治安が悪いってワケではない」といった声が聞かれた。
独自の子ども預かりサービスなど、子育て支援に力を入れている足立区。
さらに竹ノ塚駅は全面ガラス張りに改装され、駅前は10年近く再開発が行われている。高架下におしゃれなカフェなどが入り、24店舗が出店する商業施設がつくられるなど、新たな姿へと変わりつつある。
今回のキャッチコピーの他に、「住んでいるだけで武勇伝」という候補も上がっていたという足立区のキャッチコピー。イメージ払拭に注目が集まっている。(「イット!」 5月30日放送より)