東京・大田区の住宅街の一角に、近隣住民の頭を悩ませる住宅があった。住宅の前には、バイクと3台の自転車が置かれ、大量の空き缶が入ったごみ袋などで道路は半分ふさがれている。
取材のきっかけは、「イット!」への情報提供だった。
近所の人が「ごみ屋敷」と呼ぶこの住宅の敷地内を見てみると、無数のポリ袋に加え、自転車のホイールや鍋といった金属製品などが高さ2メートル以上にわたって積まれている。その下には車が埋もれていた。
近隣住民は、台風の日はごみが崩れる上、ごみが風が強い日に飛んでくることもあると話す。
近隣住民の話によると、家は20年近く前からこの状態で、大田区が資源ごみとして空き缶を回収しても、すぐにたまるという。
隣のアパートの住人は、洗濯物が全然干せないし、あの家を見たらイヤになるので、このアパートを借りる人がいないと話した。
近所の人たちは、道路に物を置かないよう大田区に指導を求めたが、改善には至っていない。なぜなら、この道路は区の管理が及ばない私道で、自転車やバイクなどは強制撤去できないのだという。
「イット!」は、1日午前、このごみ屋敷の住人を直撃した。住人は79歳で、生活費稼ぎのため、空き缶の収集を始めたという。
“ゴミ屋敷”の住人は、「苦情は言われるよ、知ってるよ。知ってるけど、どうやって生活するのって」と話す。さらに住人は、「私道の分の固定資産税も払っている」と主張し、今のところ片付ける気はないと話す。
取材に対し、大田区は住人に私財の整理を依頼したうえで、「現状の解決に向けて関係部署と連携しながら引き続き対応していく」とコメントした。