「ひとくちに政治家と言ったって、『家』をつけていいほどの器の人は数えるほどしかいないよ」
二階俊博氏はこう言ったという。いまその二階氏の「家」が揺れている。衆院新和歌山2区をめぐって、二階氏の長男と三男が熾烈な「後継争い」を繰り広げているのだ。
「先月24日、三男で公設第一秘書を務める伸康氏が和歌山県町村会から出馬要請を受け、記者会見を行いました。これに長男で地元事務所を取り仕切る俊樹氏がブチギレた」(二階派関係者)
町村会はなぜ長男の俊樹氏ではなく、伸康氏に出馬要請を出したのか。
「俊樹さんは『俺は二階の息子やぞ』とふんぞり返っているため地元の評判が悪い。そのせいか’16年に御坊市長選に出馬した際には、小泉進次郎さんや稲田朋美さんらが現地入りして応援したのに、現職候補に惨敗。それに比べると伸康さんは物腰が柔らかくて、人あたりもいい」(二階派中堅議員)
今回も、「俊樹氏がそう簡単に引き下がるとは思えない」(自民党和歌山県連幹部)というのが、周囲の見立てだ。
この選挙区には、さらに事態がこじれそうな要因がある。裏金事件で自民党から離党勧告を受け、無所属になった世耕弘成参議院議員の存在だ。
「世耕さんはかねてより、衆院への”鞍替え”を画策してきた。邪魔だった二階さんがいなくなったので、次こそこの2区に出馬してくるのではないか」(自民党閣僚経験者)
地元関係者がもっとも危惧するのが、世耕氏と俊樹氏の「悪魔合体」だ。
「2人は昨年の衆院和歌山1区の補選で自民候補の門博文さんを担いで共闘した。結果は敗北に終わりましたが、世耕さんは『反省会で二階の長男と意気投合した』と周囲に嘯いていました。
考えられるのは世耕さんが俊樹さんに参院の議席を譲る代わりに、応援をとりつけるという策。俊樹さんにとっても悪い話ではない」
お国を巻き込んだ兄弟喧嘩が始まった。
「週刊現代」2024年5月11日号より
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