富士山を黒い幕で隠せ!富士山をめぐるオーバーツーリズムの対策に、自治体が乗り出しました。撮影スポットできょう工事が始まり、長いポールが運び込まれました。
【写真を見る】観光客殺到で「富士山に黒幕」設置工事開始で新たな危険性も“応急処置”に観光客からは残念がる声【Nスタ解説】
富士山を撮影しようと観光客が殺到しているのが、山梨・富士河口湖町です。SNSで世界に発信され話題となっているようで、その多くが外国人観光客です。
ドイツからの観光客「インスタグラムで有名な場所なんだ。みんな素敵な写真が撮りたい。ローソンと美しい富士山をね」
しかし、富士山の天気は気まぐれです。最高の瞬間を待ちたいのでしょうか。道路で寝そべったり、コンビニエンスストアの駐車場の縁石にもずらっと人が座り込んで食事をとっています。
このような事態を問題視した町は、人が殺到していた歩道に高さ2.5メートル、幅20メートルの黒幕を設置し、富士山を隠してしまうという対策を決断し、30日に設置工事が始まりました。撮影に来ていた外国人は…
フィリピンからの観光客「私はすごく悲しいです。観光客がここのエリアで富士山を撮れなくなくことは」
中国からの観光客「観光客の撮影スポットを設置してほしいです」
この対策について街の声は…
「あれって頑張れば(富士山が)見えそうじゃないすか。道路にはみ出ちゃうとか。危険を冒してやる人もいるかもしれない」「車道に出て来ちゃうかもしれないね」「そうそう車道に立てば撮れそうだから」「撮影はここだけとか、そういう場所を作ったりしたらwin-win」
黒幕の設置により、周辺はどのようになってしまうのでしょうか?
南波雅俊キャスター:山梨・富士河口湖町のローソンでは、屋根の上に富士山が乗っているように見えるということで、日本人はもちろん、海外からも観光客がたくさん訪れています。
実際に訪れた方々からはドイツ人「コンビニの青と白と富士山の色が調和して綺麗」イタリア人「インスタで見たから来た」SNSでは「絵画のような富士山とリアルなコンビニが面白い」といった声がありました。人気に火がついたのは、タイの俳優の方がインスタグラムに投稿したことがきっかけだといいます。最初はアジア中心だったのですが、どんどんとヨーロッパにも人気が波及していったということです。
ただ、迷惑行為で苦しんでいるのが、コンビニの向かい側にある歯科医院です。敷地内に勝手に駐車をしたり、スーツケースを置いてしまったり、さらには敷地や道路で飲食をしているそうです。また危険という意味では、横断歩道のない道路を渡っているという方もたくさんいるといいます。
今までも警備員や警察OBの方の2人体制で警備をしていたのですが、らちが明かず、苦肉の策として黒幕の設置を決めました。場所は歯科医院側にある幅約65センチメートルの歩道部分です。
元競泳日本代表松田丈志さん:圧迫感がありますし、黒幕の向こう側に車道があるので死角となり、新たな危険性も出てきそうですね。
南波キャスター:地元では、車道で撮影するようになったり、コンビニ側に人がたくさん集まったりしてしまうのではないかという懸念の声もあるそうです。黒幕の設置作業は、30日に横断防止柵を1つと、黒幕用のポールを2本設置し、黒幕は特注の農業用の遮光ネットを使用し、これは5月下旬には設置される予定だそうです。
元競泳日本代表松田さん:せっかく景観の良い場所だったのに、このような対策をしなければいけないのは、もったいないですね。
ホラン千秋キャスター:観光客の皆さんがこの意図をしっかりと汲み取ってくださればいいですね。
南波キャスター:町としても、現状は応急処置として対策をしてみましょうということです。ただ、車道に出て撮影をしてしまうような懸念もありますので、新たに対策を考えていきたいということです。
========松田丈志さん元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得JOC理事 宮崎県出身 3児の父