お店ではすてきに飾ってあっても、家の中に持ち帰ると、なんだかしっくりこない……。雑貨や消耗品の管理は難しいですよね。本記事では『心、お金、時間の巡りがよくなる「暮らしのサイクル」の作り方』(KADOKAWA)の著者で整理収納アドバイザーの井田典子氏が、雑貨や消耗品の管理方法について助言します。
ひと口に家事といっても、当然ながら家族構成や生活環境によって暮らし方が違うのですから、どこにも正解がないことだらけです。今のようにサンプルのたくさん載ったSNSもない時代、どこにどんなものを置いたらいいのかさえわからず、やみくもに雑誌やお店のディスプレイをまねたこともありました。
そうして数え切れない試行錯誤と無駄遣いをくり返した末に、「備品は足し算していくとキリがない」という当たり前のことにようやく気づいたのでした。
お店ではすてきに飾ってあるアレもコレも、私たちの小さな家の中に持ち帰ると、やたら存在感があったり管理が面倒だったり……。
その最たるものがマット類です。キッチンマット、トイレマット、玄関マット……どれももれなく汚れをためていきますが、どのタイミングで洗濯すればいいか迷います※。しかもほかのものと一緒に洗うのもためらわれ、つい敷きっぱなしでますます汚れが目立つのでした。
※編集注:トコジラミは体が平たいため、畳の隙間、床や壁の継ぎ目、マットの裏、段ボール箱、タンス、引き出しの裏、コンセントプレートの中などに潜り込みやすい
あるとき、家じゅうのマット類を全部やめてみたら、なんとスッキリ! 汚れたらその場で床を拭けばいいので、そのほうがずっと清潔です。床にマットが敷かれていないだけで、掃除も断然、楽になりました。
消耗品もドラッグストアの赤札にあおられ、常備しなくてはいけないという思い込みは捨て、「わが家にとって今、本当に必要か」というモノサシで測ると、まだ買わなくてもいいと冷静になれます。こうして買い物の頻度が下がるように、しなくていい家事はきっとあるのですね。
[図表]「しない」を決める
整理収納アドバイザー井田 典子