佐賀県の伊万里・有田消防本部(中島徳夫消防長)は8日、有田消防署(仲尾博署長)の男性救急救命士(49)が、心肺停止状態の有田町内の男性に対する救急活動の際、救命士が自ら行うと定められた静脈路確保を、看護師である男性の妻に依頼し代行させたとして、戒告の懲戒処分を行った。
同消防本部の発表によると、救命士が4月20日、119番で男性宅に駆けつけた際、点滴・薬剤投与のための針を刺す必要があると判断し、妻に依頼した。救命士は帰署後、活動報告書にこの件を記し、口頭で上司にも報告したという。
調査に対し、現場に向かう途中で妻が看護師だと知った、とし、「現場が緊迫しており、やってはいけないと分かっていたが、お願いした」と説明した。男性は一命をとりとめ、社会復帰を果たしたという。