日本仲人協会の内部アンケートによると、相談所によってバラつきはあるものの、初回面談時には「5割程度の女性がハイスぺ男性との結婚を希望している印象がある」との回答がありました。中には8割にも上ることもあるほど。
またそのうち半数程度は、客観的に見て、本人のスペックとは釣り合わない高望みをしているといいます。
結婚は人生を左右しかねないほどの一大イベントですから、なるべくより良い相手と結婚したいと思うのは自然なことです。ただし、それは男性だって同じであり、ハイスぺ男性ほど、女性にも相応のスペックを求める傾向にあります。ハイスぺ男性ほどマッチする女性を選ぶことができますし、周囲には年齢が若い女性、容姿が良い女性がいることも多いです。
こういった女性は、狙いが見え見えな場合、男性から避けられがちです。
そんな女性たちとは別に、男性から避けられがちなタイプに「専業主婦希望やパート主婦希望」の方がいます。
「専業主婦(パート主婦)志望」と言われたり感じたりした瞬間、多くの男性がその女性を結婚候補から外しがちです。「専業主婦」が一般的だった昔とは違い、結婚を望む婚活女性は、このような最近の婚活男性の心理を理解したうえで婚活に臨まなければなりません。
今回はまさに、女性の高望みや専業主婦希望に深く悩んだ男性の事例をお伝えします。この事例をもとに、高望み女性と専業主婦志望の女性が結婚相談所でどのように避けられるか、そしてどちらのほうが男性にとって問題なのか、解説します。
(個人の特定を防ぐため、内容は一部変更しています)
山崎隼人さん〔仮名、以下同〕は、都内の大手企業で営業として働く30歳で年収800万円の独身男性です。彼はこれまで、基本的には仕事にはげむ一方で、休日には友人などと交流を図るような、充実した日々を過ごしてきました。
そのような日々の中でしたが、この頃、同僚の間で結婚ラッシュが起こり、少しずつ結婚を考え始めたといいます。彼は決してモテない男性ではありません。むしろ大手企業勤めに加えてトークも上手く、女性に言い寄られた経験も交際経験もそれなりにあったそうです。
それでも、今まで結婚を考えたことがなかったといいます。結婚に否定的ではなかったものの、肯定的でもなく、したくなったらするかなといった程度に考えていたそうです。特に子どもが欲しいわけでもなかったので、本当に自然に任せていたといいます。
しかし、周囲で起きた結婚ラッシュによって、「自分もそろそろ結婚したほうがいいのかな」と考えるようになったそうです。また周囲の男性は、年齢は様々ですが、それなりの肩書きや経歴と容姿を持つ才色兼備な女性とばかり結婚しており、それがうらやましくも感じたといいます。こうして、彼も右に倣うような感じで婚活を始めてみることにしました。
隼人さんは手始めにマッチングアプリを試してみたところ、比較的ハイスペックと言える彼のもとに、早くも多くの女性から連絡が入ったといいます。
連絡自体は素直に嬉しかったそうですが、冷静に連絡をくれた女性のプロフィールを一人ずつ確認して、彼は言いようのない不快感を覚えたとのことでした。
連絡をくれた女性の半数以上は正社員ですらなく、正社員でも年収300万円~400万円程度の方ばかりだったといいます。
彼は彼なりに周囲の既婚者を見て、「どうせ結婚するなら、パートナーと思える素敵な女性と共働きして支え合いたい」と考えていたのです。
彼はモテない男性ではなく、むしろ大手企業に入社して相応に出世もしており、婚活すれば十分に周囲と同じく、才色兼備の女性と結婚できるはずという自負がありました。にも関わらず、容姿はともかく、社会全体で見れば平均年収にも満たない女性からばかり声がかかったと感じ、そういった女性に自分が釣り合うと思われたことにショックを受けたそうです。
とはいえ婚活を始めたばかりの隼人さんは、「後輩のように今から仕事を頑張る女性もアリかな」と考え、ひとまず場慣れの意味も兼ねてデートしてみることにしました。
そうして彼は、正社員として働く女性の中から、なるべく若くて美人な女性を選んでデートを重ねたのですが、彼はさらなる不快感を覚えることになってしまったのです。
ニッセイ基礎研究所の2023年「パワーカップル世帯の動向レポート」によると、最近では「高年収同士、低年収同士」の結婚が目立っています。
つまり高年収の男性ほど、同じく高年収の女性を結婚相手として選ぶ傾向にあり、その逆もしかりということです。
実際に最近の筆者への相談者は、夫婦そろって年収500万円、800万円などということもよくあります。
婚活女性の中には、「容姿さえ磨けばハイスぺ男性と結婚できる」と考える方が少なくありません。
容姿は良いに越したことがないのは確かですし、恋愛なら、それだけで交際に繋がることもよくあります。しかし結婚の場合は上記の通り、ハイスぺ男性ほど経済力を重視していることは明らかです。これは、ハイスぺ男性に限らず、男性全般にも同じことが言えます。
仮に年収1000万円の男性との結婚を望むなら、美貌よりもキャリアを磨いて、まずは同じく年収1000万円程度を稼げるようになったほうが効果的です。
高望み女性と対面した隼人さん。相手のどの部分に不快感を覚えたのでしょうか。
続きは後編『もう「専業主婦志望の女性」は見向きもされない…男女で「決定的に異なる」認識』でご確認ください。
もう「専業主婦志望の女性」は見向きもされない…男女で「決定的に異なる」認識