栃木県の中禅寺湖など、各地の「湖」でいま異変が起きています。湖の水位が下がり、遊覧船が一部の場所で着岸できない事態となるなど、影響がでているのです。一方で、普段は見られないという光景も…。なぜ、湖の水位が低下しているのでしょうか。 ◇栃木県日光市にある人気の観光名所、中禅寺湖。23日は、あいにくの天気で霧に覆われてしまいましたが、この湖でいま、問題が起きています。中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「従来の水位の際、最低この辺まで今まではきていたよという形ですね。私が勤めて、そういうのは初めてです」

湖を管理している日光土木事務所によると、去年の同時期と比べ、水位が48センチ下がっているというのです。この影響で、遊覧船が一部の場所で、着岸できない事態となっています。例年いまの時期は、通常4つの岸に着岸していましたが、水位が低下したことにより、うち2つの岸に、船をとめることができないといいます。船から見てみると…中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「菖蒲ヶ浜の桟橋になります。本来でしたら、砂浜の部分も水の中になるんですけれども…」――あれが、本当は全部(水の中)?中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「だいたいのところが、そうですね。水の中、という感じです」――かなり見えていますよね?中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「はい」この桟橋にはとまることができないため、そのまま通過していました。さらに、別の桟橋も――中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「水深が浅いものですから、臨時通過させていただいております」ところどころでも、岩がむき出しになっている場所がありました。一方で、普段は見られないという光景も。中禅寺湖遊覧船 山田和行副支配人「あちらの島が、中善寺湖で唯一の島ですね。上野島(こうづけじま)と申します。本来でしたら、陸続きにはなっていないんですけれども…右手の山裾の方から、島の方に」通常は、湖の底にある部分が、陸続きになりかけていました。中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「こういった景色は、滅多に見られることではないので。逆に、こういったところが観光スポットになるのかという感じはしますけどね」それでも、本音は…中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「雨が降っていただきたい。GWは、現状の運航になるかと思います。桟橋を2か所、臨時通過してでの対応という形になりますけれども…水位が回復次第ですね、従来通りの運航にしたいと思っています」観光スポットでは、困惑の声があがっています。遊覧船の船着き場の近くにある、旧イタリア大使館の別荘ではイタリア大使館別荘記念公園 スタッフ 渡邊あけみさん「通常でしたら、『桟橋から船が出るので、1駅2駅、船旅を楽しんでいただくこともできます』ってご案内できるんですけれども…。駐車場からこちらまで、1キロちょっとぐらい歩いていただくようになってしまいますので…」遊覧船が着岸できないため、お客さんが車で来ても、近くの駐車場から15分ほど歩いて向かう手段しかない、といいます。イタリア大使館別荘記念公園 スタッフ 渡邊あけみさん「GWまでには、通常の水位に戻って、船の旅も楽しんでいただけるようになったらいいなって、思っております」湖の水位低下は、ほかの場所でも――山梨県にある河口湖でも、水位が2.96メートル下がっているといいます。(※23日午後5時20分時点 ※山梨県による)先月下旬には、湖岸の浮島が陸続きになっていました。ボートハウスでは、釣り用のボートなどを桟橋付近に寄せられず、ボートの数を減らして営業していました。河口湖ボートハウス 大町悦章さん「コロナ(禍)のときは、自粛とか自粛ムードのなかで、やっぱり、そのへこみをこれから取り返していこうって意気揚々としていたころ、(水位が)こんな感じなので…でも、どうしようもないので」なぜ、各地で湖の水位が低下しているのでしょうか。武蔵野大学 客員教授 橋本淳司さん「(今年は)全国的な傾向で“暖かい冬”だった、ということはいえるんじゃないでしょうか。雨がやや少なめ、そして気温が高いために、雪が降らない。普段は、雪としてとどまって、ゆっくり溶けるから、水位を平均的に保っていく働きに力を貸してくれるんですけれども、(今年は)それがなかった」去年からの暖冬の影響で、雪解けの水が少ないことが、原因の1つだと指摘。今後、まとまった雨が降れば、水位が回復する可能性があるということです。
栃木県の中禅寺湖など、各地の「湖」でいま異変が起きています。湖の水位が下がり、遊覧船が一部の場所で着岸できない事態となるなど、影響がでているのです。一方で、普段は見られないという光景も…。なぜ、湖の水位が低下しているのでしょうか。

栃木県日光市にある人気の観光名所、中禅寺湖。23日は、あいにくの天気で霧に覆われてしまいましたが、この湖でいま、問題が起きています。
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「従来の水位の際、最低この辺まで今まではきていたよという形ですね。私が勤めて、そういうのは初めてです」
湖を管理している日光土木事務所によると、去年の同時期と比べ、水位が48センチ下がっているというのです。
この影響で、遊覧船が一部の場所で、着岸できない事態となっています。
例年いまの時期は、通常4つの岸に着岸していましたが、水位が低下したことにより、うち2つの岸に、船をとめることができないといいます。
船から見てみると…
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「菖蒲ヶ浜の桟橋になります。本来でしたら、砂浜の部分も水の中になるんですけれども…」
――あれが、本当は全部(水の中)?
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「だいたいのところが、そうですね。水の中、という感じです」
――かなり見えていますよね?
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「はい」
この桟橋にはとまることができないため、そのまま通過していました。
さらに、別の桟橋も――
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「水深が浅いものですから、臨時通過させていただいております」
ところどころでも、岩がむき出しになっている場所がありました。
一方で、普段は見られないという光景も。
中禅寺湖遊覧船 山田和行副支配人「あちらの島が、中善寺湖で唯一の島ですね。上野島(こうづけじま)と申します。本来でしたら、陸続きにはなっていないんですけれども…右手の山裾の方から、島の方に」
通常は、湖の底にある部分が、陸続きになりかけていました。
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「こういった景色は、滅多に見られることではないので。逆に、こういったところが観光スポットになるのかという感じはしますけどね」
それでも、本音は…
中禅寺湖遊覧船 山田和行 副支配人「雨が降っていただきたい。GWは、現状の運航になるかと思います。桟橋を2か所、臨時通過してでの対応という形になりますけれども…水位が回復次第ですね、従来通りの運航にしたいと思っています」
観光スポットでは、困惑の声があがっています。遊覧船の船着き場の近くにある、旧イタリア大使館の別荘では
イタリア大使館別荘記念公園 スタッフ 渡邊あけみさん「通常でしたら、『桟橋から船が出るので、1駅2駅、船旅を楽しんでいただくこともできます』ってご案内できるんですけれども…。駐車場からこちらまで、1キロちょっとぐらい歩いていただくようになってしまいますので…」
遊覧船が着岸できないため、お客さんが車で来ても、近くの駐車場から15分ほど歩いて向かう手段しかない、といいます。
イタリア大使館別荘記念公園 スタッフ 渡邊あけみさん「GWまでには、通常の水位に戻って、船の旅も楽しんでいただけるようになったらいいなって、思っております」
湖の水位低下は、ほかの場所でも――
山梨県にある河口湖でも、水位が2.96メートル下がっているといいます。(※23日午後5時20分時点 ※山梨県による)
先月下旬には、湖岸の浮島が陸続きになっていました。ボートハウスでは、釣り用のボートなどを桟橋付近に寄せられず、ボートの数を減らして営業していました。
河口湖ボートハウス 大町悦章さん「コロナ(禍)のときは、自粛とか自粛ムードのなかで、やっぱり、そのへこみをこれから取り返していこうって意気揚々としていたころ、(水位が)こんな感じなので…でも、どうしようもないので」
なぜ、各地で湖の水位が低下しているのでしょうか。
武蔵野大学 客員教授 橋本淳司さん「(今年は)全国的な傾向で“暖かい冬”だった、ということはいえるんじゃないでしょうか。雨がやや少なめ、そして気温が高いために、雪が降らない。普段は、雪としてとどまって、ゆっくり溶けるから、水位を平均的に保っていく働きに力を貸してくれるんですけれども、(今年は)それがなかった」