30日、工事の作業員が赤い三角コーンを設置し、その横の歩道にドリルで穴を開けていく。
これは、山梨県・富士河口湖町で行われていた、迷惑行為を防ぐための異例の工事だ。
この場所は、コンビニ越しに世界遺産の「富士山」を望める人気の“映えスポット”で、連日この眺めを目当てに、海外から多くの観光客が訪れている。
しかし、道路への飛び出しやゴミのポイ捨てなど、迷惑行為が後を絶たない状態だ。
こうした事態を受け、町は苦肉の策として向かいの歩道から“コンビニ富士”の写真を撮れないように、高さ2.5メートル、幅20メートルの黒い幕を設置することにしたのだ。
26日の取材中、左右をきょろきょろ確認した男性は、なんと歩道を飛び出し車道の真ん中で写真撮影を始めた。車が来ると歩道に戻るが、来なくなったら、またすぐ道の反対側の車道で撮影を始めた。
こうした、無理に渡ろうとする観光客は他にもおり、道路に飛び出した女性と車が、ぶつかりそうになる一幕もあった。
外国人観光客:Oh~!!
運転手:横断歩道渡らなきゃダメだよ。
対向車の運転手:この車道危ないですよね。
あわや、事故になるところだった観光客。歩道には、英語で「道路横断しないように」と書かれているが、守られている様子はない。
コンビニの駐車場では、男性があろうことか車の上によじ登って写真撮影し始め、コンビニの店員も、ジェスチャーで「ダメ」と注意していた。
30日は工事の影響からか、コンビニ向かい側の歩道からではなく、コンビニの敷地内に三脚を設置し、写真を撮る観光客の姿が目に付いた。
今回、町が決めた“黒い目隠し幕”の対策は、海外メディアも報じるなど、大きな関心を集めている。
インドからの観光客:景観をブロックする事に賛成です。地元の人たちが安心して暮らせることが大事だと思います。
イタリアからの観光客:観光客は、マナーよく行動してルールを守るべきです。そうしないと、誰も何も見ることができなくなります。
といった、「マナーをきちんと守ろう」と思っている観光客もいるようだ。
30日の工事では、歩道脇への穴開け作業が完了。5月1日からは、そこにポールを設置し、準備出来次第、黒い幕の貼る作業に取りかかるということだ。(「イット!」4月30日放送より)