東京・秋葉原の「肉の万世 秋葉原本店」があす31日に閉店し、33年の歴史に幕を閉じる。30日は名残を惜しむかのように閉店する各店舗で行列ができた。
1階の「万世麺店」には、この日も50人ほどが長蛇の列。1時間待ちにも関わらず、列が途切れることはなかった。埼玉県加須市から来た会社員の大柳庄司さん(58)は「僕らからしたら青春時代とともに過ごした建物。最後に1度は来たかった」と感慨深げ。千葉市の主婦・大山昌代さんは「排骨(パーコー)麺を食べに来ました。なくなるのはさみしいですけど、時代の流れなんですかね」と別れを惜しんだ。
本店ビルはレンガ風の10階建ての建物で通称「肉ビル」と呼ばれ、秋葉原の象徴的存在だった。肉専門洋食店やカツサンドの工場などが入居していたが、新型コロナウイルスなどの影響で2021年にビルを売却。現在は1階に「万世麺店」、3階に洋食店「肉の万世」が賃料を払う形で入居してきた。
「肉の万世」は、レストランや焼き肉店など、関東を中心に約30店舗を展開。肉ビルの今後については未定だという。同社は「今後の営業戦略を見直すため」と閉店理由を説明。「これからは25日にオープンしたアキバプレイス店にも足を運んでいただければ」と話していた。