福岡県警は28日、県内の40代男性を覚醒剤取締法違反(使用)容疑で緊急逮捕したが、証拠としていた尿の正式鑑定で覚醒剤成分が検出されず、逮捕から約8時間半後に釈放したと発表した。県警は「同種事案の再発防止に努めていく」としている。
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県警によると、同日午前9時20分ごろ、同法違反容疑で男性宅を家宅捜索し、注射器約30本やチャック付きポリ袋を押収した。任意提出された尿を現場で簡易鑑定し、陽性反応が出たことを捜査員3人が確認。男性も使用を認めたことなどから同10時40分ごろ緊急逮捕した。しかし、逮捕後に県警科学捜査研究所で同じ検体を正式鑑定したところ、覚醒剤成分が検出されず、同日午後7時15分ごろ、男性を釈放した。
県警によると、約10年前に現在の試薬の判定方法になって以降、同種の誤認逮捕は初めて。県警は「使用した試薬の性能等も含めて原因を解明していきたい」としている。【佐藤緑平】