愛知県警岡崎署の留置主任官だった元警部を略式起訴する一方、ほかの署員ら8人を不起訴とした検察の判断について、死亡した男性の父親(72)は28日、毎日新聞などの取材に「期待していなかったので『やっぱりな』という感じ。1人に責任を押しつけている」と語気を強めた。
【イメージ図】男性はどのように身体拘束されたのか
父親は死亡の2日前、保健所職員が勾留されていた男性に面会した際に同行できなかったことを悔やんでおり「『俺が殺してしまった』という気持ちをずっと持っている」。その罪悪感からわずかな時間しか眠れない日が続いているという。「1人の人間が殺され、残された人間の人生も狂った。本当に孤独だ」と率直な気持ちを吐露した。
男性の仏前には「これで終わりだけど、しょうがないよな」と報告したという。【森田采花】
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愛知県警岡崎署(同県岡崎市)の留置場で2022年12月、勾留中の男性(当時43歳)が死亡した事件で、適切な医療措置を受けさせなかったなどとして、名古屋区検は28日、留置主任官だった元警部(46)を業務上過失致死の罪で略式起訴した。