25日午前9時45分頃、奈良市春日野町の世界遺産・東大寺の参道で、乗用車が暴走し、男性2人をはねて、参道脇の石垣に衝突した。
2人は病院に運ばれ、台湾出身の呉其源さん(62)が死亡し、長野県大町市の男性会社員(52)が重傷を負った。
奈良県警奈良署は、乗用車を運転していた小売業の男(79)(奈良市東紀寺町)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕した。男は調べに「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話している。同署は過失運転致死傷容疑に切り替えて調べている。
発表などによると、男は店主を務める参道沿いの土産物店に荷物を運ぶ途中だった。車で通行するには同署の許可が必要だが、男は許可を受けていなかった。
死亡した呉さんは家族4人で観光に来ており、重傷の男性も観光の途中だったという。
事故を目撃した土産物店主の男性(75)は「車が大きなエンジン音をたてて猛スピードで向かってきた。人通りが少ない時間だったが、恐怖を感じた」と話した。