大和茶専門の製造販売所「REAL TASTE(リアルテイスト)」(奈良市)が、ボトル入りの高級茶を発売した。厳選した茶葉を使って製法にもこだわった商品の価格は、1本1万円超。同社の本田勲代表(45)は「大和茶を世界に広めるきっかけの商品にしたい」と話している。【吉川雄飛】
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大和茶は奈良市月ケ瀬地区など県内の高原で栽培されている。806年に弘法大師が唐から種子を持ち帰り広まったとされ、すっきりした風味や香りの良さが特徴だ。
奈良市出身の本田さんは高校卒業後、同市や京都の日本茶製造問屋などで20年以上働いた。その中で大和茶の知名度の低さに気づき、全国に存在を知らせたいと思うように。月ケ瀬で2023年にリアルテイストを設立し、自ら商品を製造販売することにした。
発売した商品には月ケ瀬産の茶葉の中でも、日当たりの良い斜面で育てられた厳選品を使う。地元の天然水を使った独自の水出し製法で抽出。味わいが損なわれるのを避けるため、紫外線を防ぐガラス製ボトルに詰めた。抽出やボトル詰めは、全て本田さんが手作業で行う。
今回は大和茶葉を使った和紅茶を含め、計6種類の商品(いずれも720ミリリットル)を作った。どれも1万円を超える高級品で、最も高価なのは1万6200円の「かぶせ煎茶 道」。摘み取る前に布をかぶせて陽の光を遮った茶葉を使っており、渋みが少なくうまみが多いのが特徴という。
本田さんは「大和茶が一番おいしく味わえる方法で作った。日本茶と言えば大和茶が思い浮かぶくらい、ブランド力を高めていきたい」と話している。
注文はリアルテイストのホームページ(QRコード)で受け付ける。問い合わせは同社(050・8892・0055)。