現在、幼稚園に通う6歳の娘と4歳の息子を育てながら、クスッと笑える子育て漫画をブログやインスタグラム(@yuihanada7)で発信している漫画家・イラストレーターのはなゆいさん。子育てに奮闘しながらも日々の生活の中で、思わず笑ってしまったこと、感動したこと、子どもたちから学んだことなどを漫画にしています。
今回は、当時3歳だった娘が、まだ通い慣れていない幼稚園に行き渋りしていた頃を振り返ります。「幼稚園に行かない!」の一点張りで、どう対応すればいいのか困っていたはなゆいさんでしたが、幼稚園の先生のサポートに助けられたと言います。詳細を綴っていただきました。
こんにちは。幼稚園児2人を育児中のはなゆいです。今回は、娘まる子が3歳年少のときの話をお伝えします。
このときは5月で、まる子はまだ幼稚園に馴染めていませんでした。いつものように家を出たものの、幼稚園に着いても「行きたくない!」「車から降りない!」の一点張り。無理に行かせるのはかわいそう? 休ませた方がいい? ママと離れることに慣れるためには行かせた方がいい?と、私はおろおろしていました。
「行かない!行かない!」と叫び続けた娘が、そのうち泣き出しました。そんな母娘のもとへ駆けつけてくれたのが、幼稚園のベテラン先生でした。
ぼーぜんとする私に先生がかけてくれた最初の言葉が「お母さん、あなたはどうしたい?」でした。
「娘」ではなく、「私」?
ぽかーんとしてる私に、先生は再びこう言いました。
「あなたがどうしたいか決めて。今日はお休みしてもいいし、預けたいっていうなら、私たちはちゃんと預かるよ。安心して帰っていいよ」
私の目を見つめるそのまっすぐな姿に、「あぁ、この人なら預けても大丈夫だ」と思え、ようやく「お願いします」と娘を託すことができました。
私が幼稚園をあとにした後もまる子は「幼稚園に行かない!」としばらく渋っていたようですが、これは、ベテラン先生がその後、どう対応してくださったかを描いた話です。
激しい行き渋りのあった日、お迎えに行くとあれほど泣いていた娘が、笑顔で戻ってきました。そして、この日を境に行き渋りはなくなりました。
たぶん、娘も私も「ここなら大丈夫」と思えたのだと思います。
まる子は今や6歳年長で、間もなくこの幼稚園の卒業を迎えます。お世話になった期間中、毎日笑顔で登園できたわけではありません。あの日以降も「行きたくない」という日もありました。
でも、あのとき心に植えてもらった「大丈夫」の種は、今でもちゃんと娘の心の中に息づいています。
このことに気づいたのは、あの日から1年以上たったある日のこと。娘が道端に咲いていたハルジオンの花を見て「まるちゃんが幼稚園に行きたくないって泣いた日あったでしょ?」と、あの日のことを鮮明に語りだしたからです。
あんなに小さかったのに、まる子の記憶にしっかりと刻まれていたことに驚きました。もちろん、それは私の心にも……。全力で対応してくれたあの日の先生のまっすぐな瞳や姿が強く残っています。
一生懸命に「自分の困りごと」に向き合ってくれること。これは、これからも心に残る「大丈夫」の種なのでしょう。あのときの私たちの心に埋めてくれたこの「種」を、この先も大切にしたいと思います。
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