愛媛・今治市の住宅で、ピアノ教師の冨田小雪さんが自宅で首を切られ殺害された事件。
亡くなった冨田さんの次女を暴行した疑いで逮捕された榊原正道容疑者が、過去に“暴力行為”を行っていたという新たな証言が浮上しました。
2023年の3月に、飲食店で男性にけがをさせたとして逮捕・起訴、裁判で有罪判決を受けて、現在執行猶予中だったという榊原容疑者。
「めざまし8」は暴行を受けた男性を取材。男性が見せてくれた写真には、20針も縫ったという痛々しい傷跡が。
榊原容疑者は、その日初めて訪れた店で、偶然居合わせた被害者男性に突然襲いかかったといいます。その暴行の一部始終を店員が目撃していました。
暴行の一部始終を見ていた飲食店の店員:来た時から結構酔っぱらっていたから。なんかその榊原って人が、元々歌舞伎町でホストをしていたみたいな話をされて。そしたらその“ホスト”っていうワードで、多分自分のこと言われているみたいな?思ったのかわからんけど、それでこっちの席に来て。右腕で肩くまれて、左手でここにあった焼酎の瓶でバン!と。(瓶は)もう粉々。入り口のところまで飛んでっとるぐらい。「えっ」みたいな。でも、血ブワッて出るし。
榊原容疑者から暴行を受けた男性:今も傷跡もあるんですけど、ここも上のとこもなくなったんですけど、眉毛も。神経なくなってたんで、それで麻痺状態っていうんですかね。その当時とかだったら1カ月ぐらいは、動かんかったんですよね。
以前、榊原容疑者と交際していたという女性も、交際していた当時、繰り返し暴力を振るわれていたといいます。
榊原容疑者の元交際相手:八つ当たりなんでしょうけど、ささいなことで急にキレ始めて、殴る蹴るが始まるので。どういうタイミングで怒るかが分からないので、もう常に構えている状態。離れたら親もペットも犬も全部殺すからなって、私も別れられなくて、それで脅されていて…。
暴力に耐えかね別れようとすると、家族に危害を加えるとの脅し文句も。
榊原容疑者の元交際相手:私が多分家族を大事にしているのを彼は知っていたんですよ。よく両親の話をしていたので。それで、大事なものを人質にとったら、おとりにしたら、何でも言うことを聞くんじゃないかと思って多分言ったんだろうなっていう。でも結構本気な感じで言ってたので、本当にこれ、両親もペットも殺されると思って…。1回逃げようと思って逃げ出した時に、ちっちゃいナイフ持ってた。ナイフ首に突きつけられて、「あ、殺される」と思って。そっからもう逃げようっていうのも、絶対しないようにしようと思って。もう逃げられないし、多分捕まるんですよ。すぐ。常に一緒にいるんで…。だから、寝てる時でさえバレたら怖いんで逃げられなかったです。
警察は、榊原容疑者が冨田さんの殺害にも関与しているとみて捜査していますが、いまだ凶器などは見つかっていません。
また、近隣住民の証言から、事件のあった金曜日は普段ピアノ教室を行っていない曜日のため、冨田さんは臨時で授業をしていた可能性も出てきました。
犯人の目的について、専門家はこう分析します。
明星大学 藤井靖教授:衝動的な犯行にも見える一方で、ある程度の計画性と、明確な目的っていうものがあるんじゃないかなという気がしますよね。一つは直接的に傷つけるっていうことが目的であるっていう可能性ですね。それから、冨田さんを傷つけるということが、誰かに対しての主張やアピールや影響を及ぼすっていうですね。それから、もう一つは、冨田さんが自分にとって邪魔な存在であるってなった時に、冨田さんに攻撃をして、その存在を抑えることによって、自分が望むそういうシチュエーションだとか。環境だとかそういうのを作れるっていうふうに考えた可能性というのもあるかなと思います。(「めざまし8」1月30日放送)