今年、世間を騒がせたフィリピンを拠点とする広域強盗団による一連の大規模特殊詐欺事件。主犯格が「ルフィ」と名乗っていたことから「ルフィ強盗団」などと報じられたが、主犯格4人と並んで注目を集めたのが2人の女性の存在だ。特殊詐欺グループ内で現地から電話をかける「かけ子」の役割を担っていた寺島春奈被告(28)と熊井ひとみ被告(26)だ。
【写真】大学ミスコン出場時の熊井ひとみ氏。襟付きブラウス姿、真横から。ショートボブ 寺島被告は長野市の出身で、祖父、父が教員と厳格な家庭で育った。しかし、高校中退で歯車が狂いだす。
「中学まではスポーツに打ち込む真面目な子だったのですが、厳格な親への反抗からか、高校から不良グループとつるむようになった。退学後、上京し、高級キャバクラに勤務するようになりました。男性からは人気で給与も悪くなかったが、浪費癖があり、借金もあった。交友関係も派手で、有名インフルエンサーとの交流を自慢していました」(寺島被告の知人) 熊井被告は東京三鷹市出身で2浪を経て、名門美大に進学。祖父は県議で、近隣住民からも「名家のお嬢様」として評判だった。彼女も大学入学後に出場したミスコンで歯車が狂ったという。「その経歴を武器に配信者としてネットで投げ銭を募って稼いでいた。そこから身につける物がハイブランド品ばかりに。入学直後はどちらかというとスポーツ少女といった感じだったが、グッチのワンピースにルイ・ヴィトンのバッグを持って大学に来るようになった。『配信で儲かっている』と言っていましたが、それだけではお金が回らず、ラウンジで働くなどしていたようです。その後、大学にはほとんど出席しなくなり、3年生で単位が足りず退学しました」(大学時代の知人) その後の捜査、公判でわかったのが、2人とも金銭苦から短時間で高収入が得られる「闇バイト」に安易に手を伸ばし、ルフィ一味に加わらざるを得なくなったということだ。「熊井被告はミスコンを通じて知り合った人物から、『フィリピンで父親の事業を手伝ってほしい』と短期アルバイトに誘われ渡航しましたが、これがルフィ強盗団の『かけ子』だった。寺島被告も知人から同様の誘いを受けていたようです。主犯格は2人の身分証を奪い、両親などへの脅迫をちらつかせたり、脱走者に耳を切り落とす暴行をくわえている動画を見せつけるなどして特殊詐欺に加担させていた」(全国紙社会部記者) 熊井被告は一緒に逮捕、強制送還された藤田海里被告(24)とは内縁関係にあり、今年5月の逮捕時に妊娠していた。そのため、逮捕後は釈放されて在宅のまま起訴され裁判が進められていた。「自宅に戻ってからは一度も姿を見ていなかったのですが、今年の11月くらいから赤ちゃんの泣き声も聞こえるようになり、それからひとみさんも外に出るようになった。高齢者施設のボランティアに週数回参加しているようです」(近隣住民) 熊井被告と藤田被告は公判が進んでおりともに2件の窃盗罪、約414万円を騙し取った容疑でそれぞれ懲役2年、懲役3年が下されている。「熊井被告の姉が400万円近くを立て替えて、被害者2人と弁済、示談を試みていますが、被害者の1人はそれに応じていません。弁護側は執行猶予を求めていましたが、地裁もルフィらに強制されていたことは考慮したものの、かけ子としての責任は重いと判断した。今後は収監され、産まれたばかりの子供と離ればなれになってしまう可能性もある」(前出・社会部記者)※週刊ポスト2024年1月1・5日号
寺島被告は長野市の出身で、祖父、父が教員と厳格な家庭で育った。しかし、高校中退で歯車が狂いだす。
「中学まではスポーツに打ち込む真面目な子だったのですが、厳格な親への反抗からか、高校から不良グループとつるむようになった。退学後、上京し、高級キャバクラに勤務するようになりました。男性からは人気で給与も悪くなかったが、浪費癖があり、借金もあった。交友関係も派手で、有名インフルエンサーとの交流を自慢していました」(寺島被告の知人)
熊井被告は東京三鷹市出身で2浪を経て、名門美大に進学。祖父は県議で、近隣住民からも「名家のお嬢様」として評判だった。彼女も大学入学後に出場したミスコンで歯車が狂ったという。
「その経歴を武器に配信者としてネットで投げ銭を募って稼いでいた。そこから身につける物がハイブランド品ばかりに。入学直後はどちらかというとスポーツ少女といった感じだったが、グッチのワンピースにルイ・ヴィトンのバッグを持って大学に来るようになった。『配信で儲かっている』と言っていましたが、それだけではお金が回らず、ラウンジで働くなどしていたようです。その後、大学にはほとんど出席しなくなり、3年生で単位が足りず退学しました」(大学時代の知人)
その後の捜査、公判でわかったのが、2人とも金銭苦から短時間で高収入が得られる「闇バイト」に安易に手を伸ばし、ルフィ一味に加わらざるを得なくなったということだ。
「熊井被告はミスコンを通じて知り合った人物から、『フィリピンで父親の事業を手伝ってほしい』と短期アルバイトに誘われ渡航しましたが、これがルフィ強盗団の『かけ子』だった。寺島被告も知人から同様の誘いを受けていたようです。主犯格は2人の身分証を奪い、両親などへの脅迫をちらつかせたり、脱走者に耳を切り落とす暴行をくわえている動画を見せつけるなどして特殊詐欺に加担させていた」(全国紙社会部記者)
熊井被告は一緒に逮捕、強制送還された藤田海里被告(24)とは内縁関係にあり、今年5月の逮捕時に妊娠していた。そのため、逮捕後は釈放されて在宅のまま起訴され裁判が進められていた。
「自宅に戻ってからは一度も姿を見ていなかったのですが、今年の11月くらいから赤ちゃんの泣き声も聞こえるようになり、それからひとみさんも外に出るようになった。高齢者施設のボランティアに週数回参加しているようです」(近隣住民)
熊井被告と藤田被告は公判が進んでおりともに2件の窃盗罪、約414万円を騙し取った容疑でそれぞれ懲役2年、懲役3年が下されている。
「熊井被告の姉が400万円近くを立て替えて、被害者2人と弁済、示談を試みていますが、被害者の1人はそれに応じていません。弁護側は執行猶予を求めていましたが、地裁もルフィらに強制されていたことは考慮したものの、かけ子としての責任は重いと判断した。今後は収監され、産まれたばかりの子供と離ればなれになってしまう可能性もある」(前出・社会部記者)
※週刊ポスト2024年1月1・5日号