老朽化した使用済みマンホールのふたを一般向けに販売する埼玉県内の自治体が増えている。重さ約40キロの古い鉄の塊を一体誰が買うのかと思いきや、マンホールカード人気もあってか完売が相次いでいるのだという。意外な活用法もあり、第二の人生はさまざまだ。
【マンホールあれこれ】ポケモン、エヴァ、ガンダム、頭文字D マンホールのふたの耐用年数は車道15年、歩道30年が目安で、古くなると枠と合わなくなるなどの支障が出る。桶川市は4日、こうした役割を終えたマンホールのふたを1枚3300円で販売すると発表した。

1982~94年製造の14枚で、傷やさびが多いものもあるが「水洗いし、最大限磨いた」(担当者)という。14枚のうち2枚は過去に市内の飛行場を拠点にしていた飛行船が描かれている。今は各地で見られるようになった「デザインマンホール」のはしりの一品だ。 古いふた販売に早くから乗り出したのが寄居町と川島町。寄居町は2020年度に町の鳥や花をデザインした33枚を売り出したところ、123人から申し込みが殺到、1人2枚を急きょ1枚に制限するなど対応に追われた。京都からの応募もあったという。人気を受けて23年度の売り出しも検討している。 川島町は20~23年度に計31枚を販売。希望者は計77人と倍率は2倍を上回った。担当者は「庭の敷石や室内の壁の装飾などに使われているようだ。意外なところでは、バーベキューの時に肉を焼く鉄板として使うという人もいた」と話す。 狭山市も21年度に17枚を完売。一方、鴻巣市は22~23年度に売り出した19枚中10枚が売れ残った。他市町のようなデザインマンホールがなく一般的な絵柄だったことが理由とみられ、残ったふたは次回売り出し時の再挑戦を検討している。 ふたの販売は、ささやかだが自治体財政に貢献している。通常、古いふたは鉄くずとして業者に引き取ってもらうが、代金は輸送代と相殺されほぼ残らない。一般販売では購入者自身による搬出が条件で、代金はそのまま自治体に入る。各市町は収入を下水道整備に充てている。 初めて売り出す桶川市は2024年1月5日から申し込みを受け付ける。沖田圭一都市整備部長は「先行した他自治体の取り組みが好評ということもあり、下水道事業のPRになればと売り出すことにした。(購入者の)皆さんの工夫で自由に活用してほしい」と話している。【増田博樹】
マンホールのふたの耐用年数は車道15年、歩道30年が目安で、古くなると枠と合わなくなるなどの支障が出る。桶川市は4日、こうした役割を終えたマンホールのふたを1枚3300円で販売すると発表した。
1982~94年製造の14枚で、傷やさびが多いものもあるが「水洗いし、最大限磨いた」(担当者)という。14枚のうち2枚は過去に市内の飛行場を拠点にしていた飛行船が描かれている。今は各地で見られるようになった「デザインマンホール」のはしりの一品だ。
古いふた販売に早くから乗り出したのが寄居町と川島町。寄居町は2020年度に町の鳥や花をデザインした33枚を売り出したところ、123人から申し込みが殺到、1人2枚を急きょ1枚に制限するなど対応に追われた。京都からの応募もあったという。人気を受けて23年度の売り出しも検討している。
川島町は20~23年度に計31枚を販売。希望者は計77人と倍率は2倍を上回った。担当者は「庭の敷石や室内の壁の装飾などに使われているようだ。意外なところでは、バーベキューの時に肉を焼く鉄板として使うという人もいた」と話す。
狭山市も21年度に17枚を完売。一方、鴻巣市は22~23年度に売り出した19枚中10枚が売れ残った。他市町のようなデザインマンホールがなく一般的な絵柄だったことが理由とみられ、残ったふたは次回売り出し時の再挑戦を検討している。
ふたの販売は、ささやかだが自治体財政に貢献している。通常、古いふたは鉄くずとして業者に引き取ってもらうが、代金は輸送代と相殺されほぼ残らない。一般販売では購入者自身による搬出が条件で、代金はそのまま自治体に入る。各市町は収入を下水道整備に充てている。
初めて売り出す桶川市は2024年1月5日から申し込みを受け付ける。沖田圭一都市整備部長は「先行した他自治体の取り組みが好評ということもあり、下水道事業のPRになればと売り出すことにした。(購入者の)皆さんの工夫で自由に活用してほしい」と話している。【増田博樹】