キラキラした街並みにワクワクするクリスマス。恋人と一緒に過ごす人も多いですよね。そんな気持ちとは裏腹に、クリスマスに最悪の展開を迎えてしまうカップルも少なくありません。
東京都在住のみかさん(仮名・30歳)は、4つ上のサラリーマンの彼とお付き合いしていました。
2人の出会いはマッチングアプリで、クリスマスに起こった事件をきっかけに3か月程の交際の末、破局してしまったんだとか。楽しみにしていたクリスマスに起こった衝撃的な出来事とは……?
◆イルミネーションを見に行く予定が…
「私は彼と過ごすクリスマスをとっても楽しみにしていたんです。クリスマス当日にはイルミネーションを見に行く約束をしていたのですが、クリスマスの1週間前に、彼から『インフルエンザになっちゃった』と連絡がありました。
とても体調が悪そうな様子で心配していたのですが、そこから毎日連絡を取るもなかなか回復せず、そのままデートの前日になってしまいました」
デートを楽しみにしていたというみかさんですが、もしクリスマスに会えなくてもいつでもデートできるし仕方ない、と自分に言い聞かせ彼の体調を気遣っていたんだそう。
「前日に彼に連絡してみると、『まだ体調が悪くて、クリスマスデートは行けないかもしれない。会えるのを楽しみにしていたから本当にショックだよ……。ごめんね』と言っていて、私も悲しさはあったのですが『体調が良くなったらまた会えるから大丈夫! まずは身体を優先してね』と伝えたんです」
彼自身体調が悪いのに、デートを楽しみにしていたことを伝えてくれただけでも嬉しかったと話してくれました。
◆そのまま迎えたクリスマス
「当日の朝に『体調はどう?』と電話してみると『まだ40度くらいあって動けない』と、かなりつらそうで『食べ物だけでも何か届けようか?』と聞いたのですが、『家も近くないしその気持ちだけで嬉しい、ありがとう。今日は家で寝ておくね』と言われました。
一人暮らしでの体調不良がつらいのは私も経験していてすごく分かるし、彼は普段から気を遣うタイプなので、仕事が終わったら食べ物だけ届けてすぐに帰ろうと考えていました」
たとえ家まで行っても寝ていて顔も見れないかもしれないけど、それでも少しでも支えたいと思ったみかさんは、玄関に差し入れを掛けてすぐに帰ろうと思っていたそうです。
◆彼の好物を手作りして持っていくことに
「日中の仕事が終わり一度帰宅し、彼の好物を手作りしてから彼の家に向かいました。寝ると言っていたので、料理を届けてから『玄関に差し入れ掛けといたよ』と連絡しようと思い、クリスマスカードにメッセージも添えて。
少しでもクリスマス気分を味わってくれたら良いなと思っていたんです。その時は会えない悲しさよりも彼を元気にしたいという気持ちでいっぱいになっていました」
彼との初めてのクリスマスが、会えなかった悲しい思い出だけにならないよう、少しでも元気になってほしいという思いを込めて、差し入れをすることを思いついたというみかさん。
この後待ち受ける衝撃など、この時は1ミリも想像していなかったと語っていました。
◆“少しだけ顔見て帰ろう”とチャイムを押した
「家の前に到着すると、普段から灯りがあると眠れないとよく言っていた彼の部屋の灯りがついていたので、起きているんだと思い『せっかくなら顔だけ見て帰ろうかな』という気持ちになり、チャイムを押しました。
しかし中から返事はなく、荷物を掛けて帰ろうとしたとき、玄関から見知らぬ女性が出てきたんです」

「中から出てきた女性はサンタのコスプレをしていました。『誰?』とひどく怒った様子で勢いよく出てきた女性をみて、頭の中が真っ白になったのを今でもよく覚えています。
『私、彼女なんですけど……』と答えると、中から慌てた様子の彼が出てきて、まるでドラマのような展開になったんです。玄関から見えた家の中はいかにもクリスマスパーティの真っ最中で、彼に嘘をつかれたことを確信しました」
◆「浮気…?」と聞いたらまさか反応が
良かれと思って連絡なしに訪問してしまったばっかりに、彼の裏の顔を見ることになってしまったみかさんは、怒りよりも虚しさが勝っていたと言います。
「ひどく怒った女性と慌てる彼の様子を見て、『浮気……?』と聞くと、女性は『私は彼と婚約してる』と言うんです。その場で彼を問いただすと、浮気相手は私のほうでした。
普段から仕事が忙しい彼だからこそ、体調を壊してしまったことを心配していた自分が馬鹿らしくなりました。頻繁に会えなくても連絡がマメだったので、自分が浮気相手になっていることにはまったく気づかず、人生で一番最悪なクリスマスになってしまいました」
みかさんはショックのあまり何も言わずそのまま家に帰りました。それ以降、彼とは連絡も取っておらず、彼女との関係がどうなったのかも何も知らないそうです。
「当時のことを思い出すと辛いけど、あの時家に行って早めに真実を知れたことは不幸中の幸いだった」と話してくれました。
これ以来、マッチングアプリを通じてお付き合いすることが怖くなって、アプリは使わなくなったそうです。<文・取材/鈴木風香>