’23年9月7日、世界遺産、北海道知床の海をクルーズする遊覧船「KAZU機淵ズワン)」が乗員乗客を乗せたまま沈没した事故の調査報告書が公表された。
そこでは、知識に乏しい社長がトップを務め、安全管理体制が存在しなかったという驚愕の事実が指摘されている。乗客の「船が沈む」「冷たくて泳げない」とのやりとりも記録された。事故では20名が死亡し、発生から1年半以上経った今も6名が行方不明だ。
’22年4月27日、事故後の記者会見で運航会社である知床遊覧船の桂田精一社長(60)が土下座で謝罪し波紋を呼んだ。
「’23年11月に知床遊覧船が公表した和解案にも批判が集まりました。甲板員の遺族に月5万円を130年間にわたり支払うというもので『非現実的だ』と遺族側は反発しています」(全国紙社会部記者)
知床遊覧船は事故を起こす前からコストカットを進めていた。知床遊覧船の元従業員が打ち明ける。
「事故のあった海域は特殊な地形のため、特徴を知らないと操船できません。しかし、桂田社長は経験豊富な船長をクビにして、経験の浅い船長しか残さなかった。これが悲劇の原因だったと思います」
現在、遊覧船の事業は休止しているが、桂田社長は今も知床で複数のホテルを経営しているという。近隣住民が語る。
「’22年末頃までは、桂田社長が行きつけの居酒屋でよく酒を飲んでいたようですが、最近は見かけなくなりました。あの事故で観光客が減ったのに、彼はいまだに地元の同業者へは謝罪していません」
桂田社長は、いつ誠意を見せるのか。
『FRIDAY』2024年1月5・12日号より