接触や目撃件数(頭数)は5年で約2倍となっているそう。
JR北上線では、クマの目撃・接触件数が4年前と比較して約3倍となっている(2022年10月、大藤碩哉撮影)。
2023年度は全国的に、クマの目撃や人身被害が多発していますが、鉄道においてもクマとの接触事例が急増しています。山間部の路線を多く抱えるJR東日本 盛岡支社が2023年11月末、過去5年間におけるクマの影響を公表しました。 同支社によると、2023年度のクマとの接触や目撃件数(頭数)は、この5年で約2倍となっているそう。特に岩手県を横断する山田線や釜石線、北上線では多く発生し、秋田県へまたがる花輪線では突出して増えています。同線では2023年度(11月20日時点まで)、岩手・秋田両県で計86件(頭)となっていますが、これは昨年度(14件〈頭〉)の6倍以上です。
クマと列車が接触した場合は、自治体や猟友会、警察などと協力し、撤去しなければなりません。現場の状況によっては時間を要すほか、列車に不具合が見つかれば、数日間運転を見合わせることもあります。
2023年度は、クマの撤去まで運転を見合わせた事象が4件(花輪線3件、北上線1件)発生したそう。車両の一部が損傷し運転を見合わせた事象も、青森県の陸奥湾沿いを行く大湊線で1件発生したとのことです。
JR東日本 盛岡支社はクマとの接触を防止するため、接触や目撃が多い花輪線(湯瀬温泉~大館)の一部区間において、試験的に威嚇のための警笛を鳴らす取り組みを始めています。