東京都江戸川区の会社員野本結梨香さん=当時(18)=の遺体が山梨県の山林で見つかった事件で、交際相手の渥美遼馬容疑者(31)が逮捕前、周囲に対し、「捜査1課の刑事は来たか」と聞いていたことが2日、関係者への取材で分かった。
警視庁捜査1課は、捜査が迫っていることを渥美容疑者が察知し、警戒を強めていた可能性もあるとみて調べる。
捜査関係者によると、渥美容疑者は、警視庁が11月4日に野本さんの家族から行方不明届を受理し、捜査に乗り出して以降、行方が分からなくなった。
関係者によると、同課が捜していたところ、渥美容疑者が11月10日ごろ、親族に5カ月ぶりに連絡してきた。それまで親族からのSNSに反応しなかったことについて、同容疑者は「今まで携帯を置いたままにしていて、きょう見た」と説明。さらに、「捜査1課の刑事さんは来なかったか」などとメッセージを送ってきたという。
同課は11月12日に渥美容疑者宅を捜索。室内からは同容疑者の携帯電話や野本さんのものとみられる血痕が付いたサイズの小さい靴などが見つかった。その後、同課は渥美容疑者の居場所を把握。借りた車を返さなかったとして、同月21日に横領容疑で逮捕した。
渥美容疑者は今月1日、高校時代の同級生で会社員の堀俊哉容疑者(30)と共謀し、6月上旬に野本さんの遺体を山梨県小菅村の山林に遺棄したとして、死体遺棄容疑で再逮捕された。