社会に出てからも実家に住み続けている、自称「最強の子供部屋オジサン」と豪語する財前光希さん（仮名）。そんな財前さんの年収、貯金額、恋人の有無に迫った〈32歳正社員なのに「実家暮らし」で海外旅行三昧…「子供部屋オジサン」の気になる年収〉は、読者から大きな反響を呼んだ。今回、取り上げるのは、財前さんの「1日のルーティーン」。32歳・実家暮らしの正社員男性は、毎日どのような生活を過ごしているのだろうか？
聞き手：佐藤大輝（一人暮らし歴14年目）
日本社会はオワコンだ。以前の記事（「子供部屋オジサンは正義」「実家を離れる必要はない」そう思うのも納得の「貧しい若者たち」の実態）に詳細は記したが、資本主義社会ならびに民主主義社会において、若い世代の置かれている状況はハッキリ言って詰んでいる。
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結果、社会に出てからも実家の子供部屋から出ない「子供部屋オジサン・オバサン」の増殖に繋がっているのではないか。私のように「社会人たるものは親元から離れるべきだ」と考えるビジネスパーソンは、時代に合わせた価値観のアップデートに励むべき……かもしれない。
このように実家暮らし反対派から賛成派へ、考え方が変化してきた私だが、先日悩ましい情報を発見した。私の尊敬するホリエモンこと堀江貴文氏が書いたベストセラー書籍『ゼロ』において、堀江氏が親元から離れることの重要性を主張していたのだ。
堀江氏は著書の中で「精神的に親から自立して、物理的、そして経済的にも自立すること。この一歩を踏み出したとき、人はようやく『自分の頭』で物事を考えられるようになる」と私見を述べている。
たしかに堀江氏の意見には説得力がある。過去、私は不当解雇されたブラック企業2社を訴えた経験を持つが、訴訟前も訴訟中も、両親からは「裁判なんてバカなことは止めなさい」と全力で止められていた。
けれど私は、泣き寝入りすれば後悔が残ると考えていた。だから会社と戦う道を突き進んだ。しかし、もし私が一人暮らしではなく実家で暮らしていたら、両親の反対を押し切ることは難しかったかもしれない。
いったい何が正解で、何が間違っているのか。冷静に判断するためには生きた情報が必要だ。そこで私は自称「最強の子供部屋オジサン」と豪語する財前光希さんに再び都内某所で直撃インタビューを行った。
財前氏のプロフィールを簡単に紹介すると、彼は現在32歳。大卒後に正社員として雇用され、社会に出て10年間、真面目に働き続けている。実家から出たことも、これから出る予定もない。年収は約500万円。実家へは1円も入れておらず、現在の総資産は100万円弱。マイカーを保有し、年間旅費で200万円ほど使っている。
本記事では財前氏のライフスタイルについて丸裸にしていく。ということで、まずは隙を見てTシャツをめくってみた。
ふむふむ。お腹周りがポッコリしている事実が確認できる。なんでも学生時代より20キロほど太り、現在は100キロ近い体重があるらしい。ちなみに40万円で全身脱毛を行ったため、お肌はツルツルだった。それでは、始めよう。
――前回記事は『マネー現代』のアクセスランキング週間1位を記録。コメント多数の大反響でした。率直に、どのような感想を抱きましたか？
私の存在を擁護するコメントが多くて正直驚きました。もっと非難されるかなと内心ビクビクしていたので……。さすがに実家へは少しくらいお金を入れろという意見も目立ちましたが、そこは子供部屋オジサンらしく、世間体に負けずに頑張りたいと思いました。
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――今回記事は「子供部屋オジサン24時」をテーマにやらせていただきたいのですが、ご実家暮らしの社会人である以上、私が背後霊のように常に同伴するのは難しいです。よって財前さんには事前に連絡を入れ、1日の流れをレポートでまとめてもらいました。さっそくですが見せていただけますか？
はい。こちらが私の1日の詳細、その名も「子供部屋オジサン日記」です。
子供部屋オジサン日記（11月6日・月曜）
6時30分。自分の力で起床。トイレに行き、母親が作ってテーブルに置いてくれた朝食（ソーセージと目玉焼き）を食べる。その後、会社に持っていくお弁当を自分で作る。冷凍食品（カニクリームコロッケ・メンチカツなど茶色の食材ばかり）をチンして、炊飯器の米と一緒に、弁当箱に入れる。
洗面台で顔と頭を洗い、歯を磨いた後、週末に自分でアイロンをかけたワイシャツに着替え、家を出るのが7時30分。
8時30分。会社到着。パソコンをオンにして勤怠を押し、9時始業だが、少し早めに業務をスタートさせる。社内向けの資料作成や電話応対等、事務作業をこなした後、12時から昼休み。
お弁当をデスクで食べる。うん。うまい。なお飲み物は家から水筒で持参（麦茶）している。昼食後はスマホをいじり、13時より再び働き始める。
17時30分。終業。ネクタイを軽く緩め、自宅に帰宅するのが18時30分。帰ったら衣類を洗濯機に突っ込み、速攻で風呂。19時頃から夕食（カレーの中辛）。この日は家族と一緒に食べたが、食事の時間が決まっているわけではないので、レンジでチンして一人で食事をすることも多い。食後は食器とお弁当箱を自分で洗う。
20時00分。社内資格や英単語の勉強を行う。目的は暇つぶしのため。22時頃に勉強を切り上げ、ベッドにダイブ。YouTube（趣味の海外渡航の体験記など）を視聴し、24時に就寝。
以下、機械化が進む現代社会に負けないくらい月～金曜まで、同じような生活リズムを繰り返す。ただし金曜夜以降は、週末の休日が控えていることもあり、独身貴族（子供部屋に在住）の真骨頂が発揮される。具体的な内容は別記事でご紹介しよう。
＊ ＊ ＊
後編記事〈32歳・実家暮らしの正社員「子供部屋オジサン」の「休日」を完全公開…週末にどんな遊びをしているのか？〉では、財前氏の週末にスポットライトを当て、子供部屋オジサンのライフスタイルの真相に迫っていく。