ネットショップに並ぶ机や椅子、実はこれらすべて元ごみなのです。
年末などの多い時には一日90トンのごみが運び込まれる静岡県にあるごみ処理施設「三島市清掃センター」。清掃センターの事務所には机や椅子など色々なものが飾られています。
三島市 廃棄物対策課 山添豊さん(32):「すべて、ごみとして出された物」「(Q.これ本物の将棋の盤?)(新品で)数万円はすると思うが、今3000円で考えている」
実は三島市では、粗大ごみとして出されたものたちをメルカリに出品しているのです。
三島市 廃棄物対策課 山添豊さん:「新品なら2万円は超えるということだが、5000円で」
立派な消防車のおもちゃは1000円。
三島市 廃棄物対策課 山添豊さん:「一番特徴があるものは臼ときね。2万円で販売して、購入者からは『これ安すぎませんか?』『最低5万円は付けるべき』と言われた」
9月から始めた三島市のメルカリショップ。購入後の配送はしていません。
三島市 廃棄物対策課 山添豊さん:「ここに取りに来ていただいているので、その分さらに安くしている」「(Q.利用者は三島市民?)半分以上の人が三島市外。一番遠い人が東京のあきる野市、川崎市や横浜市」
メルカリで販売したこの3カ月で、約2トンの粗大ごみを削減。売り上げ約20万円は、ごみ処理費用に充てられます。
沼津市からやってきた常連購入者は…。
購入者 沼津市在住 山梨雅也さん(44):「妻がメルカリをやっていて、三島市のショップページを登録して、出品すると新しく(通知が)来る。『休みの日に取りに行け』と妻に言われる」
今回取りに来たのは、元々は1300円で売られているカラーボックス。お値段は格安の500円。
三島市がメルカリショップを始めた背景には何があったのでしょうか…。
三島市 廃棄物対策課 橋本泰浩課長:「三島市はごみがかなり多い街。同じ程度の人口規模を持つ静岡県内の市の中で、ごみが一番多かった」
27年前の最終処分場の様子。真ん中には大きな穴が空いていましたが、現在は焼却灰などでほぼ埋まってしまいます。
三島市 廃棄物対策課 山添豊さん:「ここ以外に、今は県外に焼却灰などを搬出している。年間およそ8000万円かかっている。それがすべて税金で賄われている。ごみを減らせば、それが減る」
リサイクルも行っていますが、人件費や機械の維持費などに費用がかかります。ごみ処理にかかる費用そのものを減らすには「リユース」が大切だといいます。
三島市 廃棄物対策課 山添豊さん:「市民の皆さんにリユースの意識を醸成してもらう。その副産物としてお金が出てくる」