36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われている青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第21回公判が6日、京都地裁で開かれ、最後の被告人質問があった。青葉被告は遺族の質問に「申し訳ないと思います」と述べた。9月に始まった公判で被告が謝罪するのは初めて。一方、犠牲者について「運がなかった」と述べる場面もあった。
「立件方向にねじ曲げ」警視庁内部文書に記載 起訴取り消しで地検が指摘 第17回公判から量刑に絞った審理が続き、法廷に立った遺族らは「極刑しかない」「命で償ってほしい」などと被告に強い言葉を投げかけていた。

これらの陳述への受け止めについて、被告は「申し訳ありませんでしたという形にしかならない」と言及。極刑を求める声には「そう償うべきだと捉えている」と応じた。初公判前に弁護人と面会を重ねる中で「だんだんそういう(謝罪の)気持ちが芽生えるようになった」と振り返った。「反省しているか」「しています」 アニメーターだった寺脇(池田)晶子さん(当時44歳)の夫(51)は直接、被告に質問した。被告は晶子さんや子供に対して「申し訳ないと思います」と繰り返し謝罪。夫が「私たちがあなたを許していると思うか」と問うと、「思っておりません」。「反省しているか」との質問には「しています」と答えた。 犠牲となった社員(当時32歳)の代理人は、被告が放火直前に現場で見た従業員について「放火で死ぬと思ってやったのか」と質問。被告は「そりゃ、思いました」と答えたうえで、犠牲者が36人に上った被害に対しては「(スタジオの)構造上の問題にするつもりはないが、らせん階段によって火が早く回った。(犠牲者は)運がなかったことは否定できない」と述べた。 被告は拘置所での生活にも言及。入浴や排せつの介助をしてくれる職員への感謝を示し、「今のような環境にいたら、こんな事件は起こさなかったと思います」とも語った。 閉廷後、寺脇さんの夫は「決して満足できる内容ではなかったが、自分の中では謝罪だと思う。晶子には『謝罪の言葉も引き出したよ、これで満足してくれるか』と報告したい」と話した。 公判はこの日で全ての証拠調べを終えた。7日に検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論、被告の最終陳述があり、結審する見通し。【久保聡、鈴木拓也、南陽子】
第17回公判から量刑に絞った審理が続き、法廷に立った遺族らは「極刑しかない」「命で償ってほしい」などと被告に強い言葉を投げかけていた。
これらの陳述への受け止めについて、被告は「申し訳ありませんでしたという形にしかならない」と言及。極刑を求める声には「そう償うべきだと捉えている」と応じた。初公判前に弁護人と面会を重ねる中で「だんだんそういう(謝罪の)気持ちが芽生えるようになった」と振り返った。
「反省しているか」「しています」
アニメーターだった寺脇(池田)晶子さん(当時44歳)の夫(51)は直接、被告に質問した。被告は晶子さんや子供に対して「申し訳ないと思います」と繰り返し謝罪。夫が「私たちがあなたを許していると思うか」と問うと、「思っておりません」。「反省しているか」との質問には「しています」と答えた。
犠牲となった社員(当時32歳)の代理人は、被告が放火直前に現場で見た従業員について「放火で死ぬと思ってやったのか」と質問。被告は「そりゃ、思いました」と答えたうえで、犠牲者が36人に上った被害に対しては「(スタジオの)構造上の問題にするつもりはないが、らせん階段によって火が早く回った。(犠牲者は)運がなかったことは否定できない」と述べた。
被告は拘置所での生活にも言及。入浴や排せつの介助をしてくれる職員への感謝を示し、「今のような環境にいたら、こんな事件は起こさなかったと思います」とも語った。
閉廷後、寺脇さんの夫は「決して満足できる内容ではなかったが、自分の中では謝罪だと思う。晶子には『謝罪の言葉も引き出したよ、これで満足してくれるか』と報告したい」と話した。
公判はこの日で全ての証拠調べを終えた。7日に検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論、被告の最終陳述があり、結審する見通し。【久保聡、鈴木拓也、南陽子】