インフルエンザが各地で猛威を振るっていますが、実は今、「歩く肺炎」と呼ばれる感染症への警戒が強まっています。【写真を見る】“歩く肺炎”激しい咳が4週間…中国・韓国で感染拡大中、年末日本で流行か、マイコプラズマ肺炎【Nスタ解説】世界的流行「マイコプラズマ肺炎」とはどんな肺炎?加藤シルビアキャスター:いま“歩く肺炎”と呼ばれる「マイコプラズマ肺炎」が世界的にも流行してきているということなんです。韓国では入院患者が1か月で2倍に増え、その約8割が12歳以下の子どもだということです。中国ではマイコプラズマ肺炎などの複数の呼吸器疾患が増えています。他にも、アメリカやデンマークなどで感染者が増えているということです。

マイコプラズマ肺炎とは一体どのような感染症なのか。【マイコプラズマ肺炎】・細菌の一種、マイコプラズマによる感染症・1年を通してかかる病気【症状】・37~38℃の発熱、軽い咳、喉の痛み、倦怠感など・症状が悪化すると激しい咳が約4週間ほど続く・患者の約8割が14歳以下の子ども「歩く肺炎」と呼ばれる理由は?では一体なぜ“歩く肺炎”と呼ばれるのでしょうか。その理由には、▼感染から発症までに2~3週間と潜伏期間が長い、▼症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまう、ということが挙げられます。主な感染経路は飛沫感染、そして接触感染が挙げられるということです。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長「先月25日、3年ぶりにマイコプラズマ肺炎の患者を確認した」井上貴博キャスター:コロナ禍の反動もあり、今年増えているというのが想像できる気がしますけど、インフルエンザと同時感染すると重症化するなんてことも聞きますし、どんなものなのか、まず教えていただけますか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:「激しい咳」というのが特徴です。最初は渇いた咳なんですが、発症してしばらくすると、湿った咳、たんが絡むような咳であったり、つい最近、私が久しぶりに見かけたマイコプラズマ肺炎の患者さんは結構重くて、たんの中に血が混じってました。大人の方でしたが、元々の基礎疾患の喘息もありましたので、ゼーゼーヒューヒューと呼吸も苦しそうでした。基礎疾患のある方は、特に重い肺炎になりやすいので要注意です。ホラン千秋キャスター:症状が悪化すると激しい咳に、ということでしたが、罹患した方の何割ぐらいが症状悪化してしまうでしょうか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:詳しいデータは持っていませんが、おそらく2割~3割くらいは下気道に行って、肺炎になってくると思います。なので、できれば上気道の気管支の辺りにマイコプラズマがいて炎症を起こしてるうちに見つけて治したいところですが、肺の方までいってくると、若い人でも結構重くなってきます。おおよそですが、20~30%ぐらいはそういった肺炎になってるのではないかと思います。ホランキャスター:軽くても咳が治まるまでに時間がかかるものなんですか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:やはり咳が長引くと気道の上皮が強く障害を起こしますので、その気道の上皮が修復してくるまでにやっぱり2~3週間以上はかかると思いますので、粘り強い治療が必要になることが多いですね。「マイコプラズマ肺炎」かも? サインは?受診の目安は?加藤キャスター:そして気になってくるのは、受診の目安です。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:「診断が難しい。抗原キットで検査できるが、発症した直後でないと陽性反応が出ない」発症のサインとしては、“咳”そして“倦怠感”が1週間以上続く場合は病院へ行ってください。また、周囲に患者がいるかどうかアンテナを張ることも大切だということです。井上キャスター:この一連の報道で気になるのが、中国で複数の呼吸器疾患での患者が増えている。しかしこれは「今まであった既存のウイルスなどで問題がない」と中国は説明してますが、新型コロナときも最初はそうだったじゃないすか。そういうことになってないことを祈りますが、どうご覧になってますか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:1か月以上前から気にはなっていて「中国だけで収まってるのかどうか」を慎重に見てましたが、その後韓国、最近だとアメリカ、デンマークでも増加しているということを考えると、いま、国際交流も非常に盛んになっているので、各国で増えていることを考えますと、日本でも増えてきてもおかしくないと思います。そして、中国のマイコプラズマの中でも「耐性菌」、抗生物質が効かない菌が増えているということも、より詳しいデータが知りたいところですよね。田中ウルヴェ京さん:やはり「公衆衛生」という言葉のあり方だと思ってます。日本だけでなく、世界中でパブリックヘルス、みんなの健康をどうやって考えるか、ということを考えていかないといけないんだなということを、感染症を聞きながら本当に感じることですよね。
インフルエンザが各地で猛威を振るっていますが、実は今、「歩く肺炎」と呼ばれる感染症への警戒が強まっています。
【写真を見る】“歩く肺炎”激しい咳が4週間…中国・韓国で感染拡大中、年末日本で流行か、マイコプラズマ肺炎【Nスタ解説】世界的流行「マイコプラズマ肺炎」とはどんな肺炎?加藤シルビアキャスター:いま“歩く肺炎”と呼ばれる「マイコプラズマ肺炎」が世界的にも流行してきているということなんです。韓国では入院患者が1か月で2倍に増え、その約8割が12歳以下の子どもだということです。中国ではマイコプラズマ肺炎などの複数の呼吸器疾患が増えています。他にも、アメリカやデンマークなどで感染者が増えているということです。

マイコプラズマ肺炎とは一体どのような感染症なのか。【マイコプラズマ肺炎】・細菌の一種、マイコプラズマによる感染症・1年を通してかかる病気【症状】・37~38℃の発熱、軽い咳、喉の痛み、倦怠感など・症状が悪化すると激しい咳が約4週間ほど続く・患者の約8割が14歳以下の子ども「歩く肺炎」と呼ばれる理由は?では一体なぜ“歩く肺炎”と呼ばれるのでしょうか。その理由には、▼感染から発症までに2~3週間と潜伏期間が長い、▼症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまう、ということが挙げられます。主な感染経路は飛沫感染、そして接触感染が挙げられるということです。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長「先月25日、3年ぶりにマイコプラズマ肺炎の患者を確認した」井上貴博キャスター:コロナ禍の反動もあり、今年増えているというのが想像できる気がしますけど、インフルエンザと同時感染すると重症化するなんてことも聞きますし、どんなものなのか、まず教えていただけますか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:「激しい咳」というのが特徴です。最初は渇いた咳なんですが、発症してしばらくすると、湿った咳、たんが絡むような咳であったり、つい最近、私が久しぶりに見かけたマイコプラズマ肺炎の患者さんは結構重くて、たんの中に血が混じってました。大人の方でしたが、元々の基礎疾患の喘息もありましたので、ゼーゼーヒューヒューと呼吸も苦しそうでした。基礎疾患のある方は、特に重い肺炎になりやすいので要注意です。ホラン千秋キャスター:症状が悪化すると激しい咳に、ということでしたが、罹患した方の何割ぐらいが症状悪化してしまうでしょうか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:詳しいデータは持っていませんが、おそらく2割~3割くらいは下気道に行って、肺炎になってくると思います。なので、できれば上気道の気管支の辺りにマイコプラズマがいて炎症を起こしてるうちに見つけて治したいところですが、肺の方までいってくると、若い人でも結構重くなってきます。おおよそですが、20~30%ぐらいはそういった肺炎になってるのではないかと思います。ホランキャスター:軽くても咳が治まるまでに時間がかかるものなんですか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:やはり咳が長引くと気道の上皮が強く障害を起こしますので、その気道の上皮が修復してくるまでにやっぱり2~3週間以上はかかると思いますので、粘り強い治療が必要になることが多いですね。「マイコプラズマ肺炎」かも? サインは?受診の目安は?加藤キャスター:そして気になってくるのは、受診の目安です。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:「診断が難しい。抗原キットで検査できるが、発症した直後でないと陽性反応が出ない」発症のサインとしては、“咳”そして“倦怠感”が1週間以上続く場合は病院へ行ってください。また、周囲に患者がいるかどうかアンテナを張ることも大切だということです。井上キャスター:この一連の報道で気になるのが、中国で複数の呼吸器疾患での患者が増えている。しかしこれは「今まであった既存のウイルスなどで問題がない」と中国は説明してますが、新型コロナときも最初はそうだったじゃないすか。そういうことになってないことを祈りますが、どうご覧になってますか。いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:1か月以上前から気にはなっていて「中国だけで収まってるのかどうか」を慎重に見てましたが、その後韓国、最近だとアメリカ、デンマークでも増加しているということを考えると、いま、国際交流も非常に盛んになっているので、各国で増えていることを考えますと、日本でも増えてきてもおかしくないと思います。そして、中国のマイコプラズマの中でも「耐性菌」、抗生物質が効かない菌が増えているということも、より詳しいデータが知りたいところですよね。田中ウルヴェ京さん:やはり「公衆衛生」という言葉のあり方だと思ってます。日本だけでなく、世界中でパブリックヘルス、みんなの健康をどうやって考えるか、ということを考えていかないといけないんだなということを、感染症を聞きながら本当に感じることですよね。
加藤シルビアキャスター:いま“歩く肺炎”と呼ばれる「マイコプラズマ肺炎」が世界的にも流行してきているということなんです。
韓国では入院患者が1か月で2倍に増え、その約8割が12歳以下の子どもだということです。中国ではマイコプラズマ肺炎などの複数の呼吸器疾患が増えています。他にも、アメリカやデンマークなどで感染者が増えているということです。
マイコプラズマ肺炎とは一体どのような感染症なのか。
【マイコプラズマ肺炎】・細菌の一種、マイコプラズマによる感染症・1年を通してかかる病気
【症状】・37~38℃の発熱、軽い咳、喉の痛み、倦怠感など・症状が悪化すると激しい咳が約4週間ほど続く・患者の約8割が14歳以下の子ども
では一体なぜ“歩く肺炎”と呼ばれるのでしょうか。その理由には、▼感染から発症までに2~3週間と潜伏期間が長い、▼症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまう、ということが挙げられます。
主な感染経路は飛沫感染、そして接触感染が挙げられるということです。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長「先月25日、3年ぶりにマイコプラズマ肺炎の患者を確認した」
井上貴博キャスター:コロナ禍の反動もあり、今年増えているというのが想像できる気がしますけど、インフルエンザと同時感染すると重症化するなんてことも聞きますし、どんなものなのか、まず教えていただけますか。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:「激しい咳」というのが特徴です。最初は渇いた咳なんですが、発症してしばらくすると、湿った咳、たんが絡むような咳であったり、つい最近、私が久しぶりに見かけたマイコプラズマ肺炎の患者さんは結構重くて、たんの中に血が混じってました。
大人の方でしたが、元々の基礎疾患の喘息もありましたので、ゼーゼーヒューヒューと呼吸も苦しそうでした。基礎疾患のある方は、特に重い肺炎になりやすいので要注意です。
ホラン千秋キャスター:症状が悪化すると激しい咳に、ということでしたが、罹患した方の何割ぐらいが症状悪化してしまうでしょうか。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:詳しいデータは持っていませんが、おそらく2割~3割くらいは下気道に行って、肺炎になってくると思います。
なので、できれば上気道の気管支の辺りにマイコプラズマがいて炎症を起こしてるうちに見つけて治したいところですが、肺の方までいってくると、若い人でも結構重くなってきます。おおよそですが、20~30%ぐらいはそういった肺炎になってるのではないかと思います。
ホランキャスター:軽くても咳が治まるまでに時間がかかるものなんですか。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:やはり咳が長引くと気道の上皮が強く障害を起こしますので、その気道の上皮が修復してくるまでにやっぱり2~3週間以上はかかると思いますので、粘り強い治療が必要になることが多いですね。
加藤キャスター:そして気になってくるのは、受診の目安です。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:「診断が難しい。抗原キットで検査できるが、発症した直後でないと陽性反応が出ない」
発症のサインとしては、“咳”そして“倦怠感”が1週間以上続く場合は病院へ行ってください。また、周囲に患者がいるかどうかアンテナを張ることも大切だということです。
井上キャスター:この一連の報道で気になるのが、中国で複数の呼吸器疾患での患者が増えている。しかしこれは「今まであった既存のウイルスなどで問題がない」と中国は説明してますが、新型コロナときも最初はそうだったじゃないすか。そういうことになってないことを祈りますが、どうご覧になってますか。
いとう王子神谷内科外科クリニック伊藤博道院長:1か月以上前から気にはなっていて「中国だけで収まってるのかどうか」を慎重に見てましたが、その後韓国、最近だとアメリカ、デンマークでも増加しているということを考えると、いま、国際交流も非常に盛んになっているので、各国で増えていることを考えますと、日本でも増えてきてもおかしくないと思います。
田中ウルヴェ京さん:やはり「公衆衛生」という言葉のあり方だと思ってます。日本だけでなく、世界中でパブリックヘルス、みんなの健康をどうやって考えるか、ということを考えていかないといけないんだなということを、感染症を聞きながら本当に感じることですよね。