人気アニメを次々と生み出してきた京都アニメーションが標的となった放火殺人事件。殺人などの罪に問われている青葉真司被告(45)の公判が結審した。愛する人を突然失った遺族らは、やりきれない思いをぶつけた。
極刑求刑にも身動きせず 「付け加えることはない」 「晶子が受け入れられるような判決を、強く強く、本当に強く望んでいます」。アニメーターだった寺脇(池田)晶子さん(当時44歳)を事件で亡くした夫(51)は結審した7日、法廷でそう訴えた。

死刑を求刑した検察による論告の後、被害者参加制度を利用した遺族らが意見を述べた。夫は時折、青葉被告を見つめながら「青葉さん」と呼び掛けた。 「ここには犠牲となった36人の方が座っているのだと思っています。ここで本当に話したかったのは、亡くなられた方。何か言いたいことがあり、非常に無念な気持ちだと思います」 夫の陳述は続く。「下される判決は、12歳の息子が聞いて理解できる内容であってほしい。最も重い刑罰が科されることを望みます」と訴えた。 他にも遺族8人の意見を代理人弁護士1人が「被告の謝罪や反省の言葉は表面的なもので、遺族の怒りは激しい。死刑以外に選択の余地はない」と述べた。 閉廷後、寺脇さんの夫は取材に応じた。「晶子と子どもに対して、私がやらなあかんことは精いっぱいできた。私の口で晶子が発言したかっただろう求刑を代わりにしてあげられた」と語った。 初公判から3カ月。心身を削って公判に参加してきた。「傷つけられることもあり、本当につらかった。他の遺族も同じだったと思う」と涙ぐんだ。 こうして迎えた最終盤となる6日の公判で、被告は夫の質問に対し、「申し訳ございません」と口にした。夫は「誠意を持った謝罪とは思っていない」。被告を許したり、同情したりする気持ちには到底なれない。 ただ、被告なりに自身の言葉で事件を語ろうとする姿勢は感じた。「どんな判決が出るにしろ、事件に向き合ってほしい。本当の意味で反省してほしい」【南陽子、千金良航太郎】
「晶子が受け入れられるような判決を、強く強く、本当に強く望んでいます」。アニメーターだった寺脇(池田)晶子さん(当時44歳)を事件で亡くした夫(51)は結審した7日、法廷でそう訴えた。
死刑を求刑した検察による論告の後、被害者参加制度を利用した遺族らが意見を述べた。夫は時折、青葉被告を見つめながら「青葉さん」と呼び掛けた。
「ここには犠牲となった36人の方が座っているのだと思っています。ここで本当に話したかったのは、亡くなられた方。何か言いたいことがあり、非常に無念な気持ちだと思います」
夫の陳述は続く。「下される判決は、12歳の息子が聞いて理解できる内容であってほしい。最も重い刑罰が科されることを望みます」と訴えた。
他にも遺族8人の意見を代理人弁護士1人が「被告の謝罪や反省の言葉は表面的なもので、遺族の怒りは激しい。死刑以外に選択の余地はない」と述べた。
閉廷後、寺脇さんの夫は取材に応じた。「晶子と子どもに対して、私がやらなあかんことは精いっぱいできた。私の口で晶子が発言したかっただろう求刑を代わりにしてあげられた」と語った。
初公判から3カ月。心身を削って公判に参加してきた。「傷つけられることもあり、本当につらかった。他の遺族も同じだったと思う」と涙ぐんだ。
こうして迎えた最終盤となる6日の公判で、被告は夫の質問に対し、「申し訳ございません」と口にした。夫は「誠意を持った謝罪とは思っていない」。被告を許したり、同情したりする気持ちには到底なれない。
ただ、被告なりに自身の言葉で事件を語ろうとする姿勢は感じた。「どんな判決が出るにしろ、事件に向き合ってほしい。本当の意味で反省してほしい」【南陽子、千金良航太郎】