2017年に福岡県小郡(おごおり)市の自宅で妻子3人を殺害したとして殺人罪に問われ1、2審で死刑判決を受けた元福岡県警巡査部長、中田充被告(45)=起訴後に懲戒免職=の上告審判決で、最高裁第3小法廷は8日、無罪を主張する被告側の上告を棄却した。長嶺安政裁判長は「強固な殺意に基づき、生命を軽視する態度が甚だしい」と述べた。被告の死刑が確定する。
福岡妻子3人殺害 元警官の上告審結審 死刑判決の被告 裁判官5人全員一致の意見。弁護側は、遺体の死後硬直の状態などから、妻子3人は被告が自宅に不在の時間帯に第三者に殺害された可能性があると主張した。しかし、小法廷は「弁護側の主張は上告理由に当たらず、被告が3人の首を絞めるか、圧迫するかして殺害した」と退けた。

さらに小法廷は、被告が否認していることから「動機は不明」としたが、幼い長男(当時9歳)と長女(同6歳)を殺害することに酌むべき事情はないと指摘。妻(同38歳)と夫婦関係であつれきがあったことを考慮するのにも限度があるとし「罪と向き合う姿勢を示さず、反省、悔悟の情はうかがえない」と結論付けた。 1審・福岡地裁は19年12月、被告が17年6月5日深夜から翌6日午前6時半までの間に、自宅で3人の首をひも状のもので絞めるなどして殺害したと認定し、死刑を言い渡した。2審・福岡高裁は21年9月、1審判決を支持して被告の控訴を棄却した。 最高裁判決を受け、福岡県警の川畑佳市警務部長は「改めて亡くなった方々のご冥福を心からお祈りし、県民の期待と信頼に応える県警の確立に向け、取り組んでまいります」とのコメントを出した。【遠藤浩二、近松仁太郎】
裁判官5人全員一致の意見。弁護側は、遺体の死後硬直の状態などから、妻子3人は被告が自宅に不在の時間帯に第三者に殺害された可能性があると主張した。しかし、小法廷は「弁護側の主張は上告理由に当たらず、被告が3人の首を絞めるか、圧迫するかして殺害した」と退けた。
さらに小法廷は、被告が否認していることから「動機は不明」としたが、幼い長男(当時9歳)と長女(同6歳)を殺害することに酌むべき事情はないと指摘。妻(同38歳)と夫婦関係であつれきがあったことを考慮するのにも限度があるとし「罪と向き合う姿勢を示さず、反省、悔悟の情はうかがえない」と結論付けた。
1審・福岡地裁は19年12月、被告が17年6月5日深夜から翌6日午前6時半までの間に、自宅で3人の首をひも状のもので絞めるなどして殺害したと認定し、死刑を言い渡した。2審・福岡高裁は21年9月、1審判決を支持して被告の控訴を棄却した。
最高裁判決を受け、福岡県警の川畑佳市警務部長は「改めて亡くなった方々のご冥福を心からお祈りし、県民の期待と信頼に応える県警の確立に向け、取り組んでまいります」とのコメントを出した。【遠藤浩二、近松仁太郎】