奈良県の公式マスコットキャラクター「せんとくん」の誕生から今年で15年になった。
せんとくんが県職員の「同僚」を通じてインタビュー取材に応じ、誕生当初の思いやコロナ禍の苦悩など、この間の歩みを振り返った。(前川和弘)
――15年を振り返って。
県のPRができてとてもうれしい。これからも変わらず奈良の良いところをいっぱいみんなに届けたい!
――当初は厳しい声もあったが、それを乗り越えて平城遷都1300年祭を成功に導いた。
インパクトが強すぎたみたいで、「かわいくない」という意見もあって話題になったけれど、「奈良の魅力をみんなに知ってもらいたい」という思いでがんばったよ。するとだんだん「よく見たらかわいい」などと言ってもらえるようになり、最終的には人気者になったんだ!
――ファンから愛される秘訣(ひけつ)は。葛城市のキャラクター「蓮花(れんか)ちゃん」などから思いを寄せられている。
愛される秘訣は奈良の魅力を一生懸命PRすることだね! (蓮花ちゃんに)好きになってもらったことはとてもうれしい! でも、僕は永遠の子どもだからずっと大切なお友達でいてほしい。
――コロナ禍で思うように活動できない期間、どんな思いでPRに力を入れたか。
イベントが減ったことは残念だったけれど、その分、県のPRをしようと、SNSを利用した発信に力を入れたよ。昨年は「TikTokデビュー」もしたんだ。奈良の観光地をTikTokからPRしてるんだ!
――新型コロナウイルスが5類に移行して、行事も増えてきた。来年4月には後輩にあたる「Vtuber」も“着任”する。これからどう県を盛り上げていくか。
イベントにも積極的に出演したいし、SNSを利用した発信も一緒にがんばって、奈良のPRをしたいな。
――せんとくんにとっての「奈良」とは。
たくさんの人に誇れる世界遺産や文化財が大切に守られてきた、自然豊かな大好きなところ! これからも元気いっぱいに奈良をPRしていくよ!
◆せんとくん=2008年2月、平城遷都1300年祭のキャラクターとして発表され、同4月に愛称がきまった。「頭にシカの角をはやした童子」をイメージしたが、強烈な見た目が当初、様々な議論を呼んだ。「好奇心旺盛でやんちゃ」「特技はダンス」などのプロフィルがあり、11年に県のキャラクターに採用された。X(旧ツイッター)などで県をPRしている。