私人逮捕系ユーチューバーが再逮捕された。警視庁は11日、覚醒剤を所持していると男性に言いがかりをつけ、動画撮影しながら不法に拘束したとして「ガッツch」を運営していた男2人を逮捕の疑いで再逮捕した。この事件では一足先に煉獄コロアキこと杉田一明容疑者が再逮捕されている。過去に杉田容疑者と接点のあった人物によると「イエスマンに持ち上げられていた」と過激化の背景を指摘した。
再逮捕されたのは今野蓮容疑者と奥村路丈容疑者。再逮捕容疑は9月に都内の路上で男性を杉田容疑者らと取り囲み、押し倒して拘束して不法に逮捕した疑い。今野容疑者は「相手が倒れようとするのを止めようとしたが、一緒に倒れてしまった」、奥村容疑者は「撮影しただけ」といずれも容疑を否認。杉田容疑者は「手は出していない」と話しているという。
杉田容疑者は1回目の逮捕時に「(動画の)再生回数やチャンネル登録数を増やしたかった。広告収入を得て有名になりたかった」と供述していた。そんな杉田容疑者が炎上系としてネットを中心に騒ぎになったのはコロナ禍だった。2022年に反マスクを掲げてノーマスクでJR山手線一周を敢行。このころは煉獄カズアキを名乗っていたが、後にコロナに感染したことをきっかけにコロアキに改名している。
このノーマスク山手線一周の後に杉田容疑者が行ったツイッター(現X)のスペース(リアルタイムで複数人でできる音声による会話)に参加した男性会社員が振り返った。「私は反マスクの主張に共感して参加しました。彼はスペースで『正義のためだ』とか『間違った世の中に物申すんだ』と話していました。この時はお金が欲しいという話はしてませんでしたが、自分のやっていることを拡散してほしいとは言っていました。有名にはなりたかったのでしょう」(同)
反マスクの次のネタを探していたという。「スペースに参加していた人はカズアキ信者みたいなイエスマンばかりでしたが、彼ら彼女らに『ほかに世の中で間違っていると思うことはないか』と聞いていました。でも、『大阪環状線でノーマスク一周してほしい』とかマスク関連ばかり要求されてて、マスク以外のネタは出てきていませんでした」(同)
杉田容疑者は反マスク運動後にもいろいろな活動をし、新宿・大久保公園で未成年買春の撲滅を訴えて現地で動画を撮影するなど過激化。そうしてたどり着いたのが私人逮捕系ユーチューバーだった。
どこかでストップできなかったものなのか。「周りが彼をはやし立ててあおったところはあると思います。スペースでも『次もお願いします』『ご活躍を期待しています』『あなたはヒーローです』なんて持ち上げられていましたから」(同)
有名になりたい杉田容疑者と、それをもてはやすイエスマンという構図がエスカレートした背景にあった。